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複合企業(コングロマリット)セクターについて
広瀬 隆雄
わかりやすいグローバル投資レポート
グローバル投資に精通する広瀬隆雄氏に、新興国株式だけでなく、米国株、欧州株をはじめとする先進国株式など、海外全般の経済や投資ストラテジーをご紹介いただきます。

複合企業(コングロマリット)セクターについて

2014/5/8
1.複合企業とはお互いに直接関係の無い、雑多なビジネスから成る企業を指す2.ダナハーは生命科学など成長余地のあるニッチに注力3.ゼネラル・エレクトリックは金融危機後ビジネスを整理中 …
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今日のまとめ

  1. 複合企業とはお互いに直接関係の無い、雑多なビジネスから成る企業を指す
  2. ダナハーは生命科学など成長余地のあるニッチに注力
  3. ゼネラル・エレクトリックは金融危機後ビジネスを整理中
  4. ハネウェルはマージン向上の努力を続けている
  5. スリーエムは安定したビジネスの集まり
  6. ユナイテッド・テクノロジーズは華やかなブランドを擁している

複合企業(コングロマリット)とは?

複合企業(コングロマリット)とはお互いに直接関係やシナジー(相乗効果)の無い、雑多なビジネスの寄せ集めから成る企業を指します。

それぞれの企業によりビジネス・ポートフォリオが異なるので、ひとつのグループとして論じることには少し無理がありますが、代表的な企業を挙げると下の表のようになります。

銘柄 コード 事業内容
ダナハー DHR 医療機器、生命科学・診断装置
ゼネラル・エレクトリック GE 航空機エンジン、発電機、金融サービス
ハネウェル・インターナショナル HON 空調、航空関連、自動車関連
スリーエム MMM 工業、安全、医療、文具
ユナイテッド・テクノロジーズ UTX 航空機エンジン、エレベーター、ヘリコプター

ダナハー

ダナハー(ティッカーシンボル:DHR)は歯科医向けデジタル映像装置、医療機器、消耗品、生命科学・診断装置、バイオラボ向け機器、通信ネットワーク向けテスト・計測装置、環境関連機器、工業用オートメーション機器などを作っています。

これらは複合企業の中にあっては安定的に高成長(年率2~4%)している分野です。

同社は過去20年の間に事業ポートフォリオをかなり入れ替え、現在のような、ヘルスケアに傾斜した事業構成に移行しました。

この作戦が功を奏して複合企業のセクターにあってもっとも成長が見込める企業となっています。

【略号の説明】

  • DPS一株当たり配当
  • EPS一株当たり利益
  • CFPS一株当たりキャッシュフロー
  • SPS一株当たり売上高

これまでのダナハーの財務戦略は、積極的にビジネスを入れ替えることで企業の価値を高め、株主に報いるという方法でした。

しかし事業ポートフォリオの入れ替えは、ほぼ完成しました。そこで同社は配当性向を引き上げることで魅力を高める戦略に移行しつつあります。

その手始めとして第2四半期から四半期配当を10¢(=年間40¢)に引き上げると発表しました。

この新しい配当水準でも2013年のEPSと比べて配当性向は10.6%程度です。つまり会社側がその気であれば増配余地はまだまだあるということです。

ゼネラル・エレクトリック

ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)は世界最大級の複合企業です。同社は長い間、米国屈指の優良企業として君臨してきました。しかしリーマンショックで金融サービス部門が大打撃を受けて以降、投資家の同社を見る目は厳しくなっています。現在の同社の売上や利益は、リーマンショック前の水準に遠く及びません。

ゼネラル・エレクトリックはGEファイナンスを巡る経営環境は永遠に変わったと認識し、このビジネスを縮小してゆく方針を決めました。また放送・メディア部門のNBCユニバーサルも資産売却により処分中です。

全体の69%を占める工業関連事業の内訳を示すと下の円グラフのようになります。

発電機やジェット・エンジンなどにおけるゼネラル・エレクトリックのブランドネームには絶大なものがあります。しかし同社の顧客は新興国の比率が高く、中国をはじめとする新興国各国の経済が減速する中で、その悪影響が心配されます。

ゼネラル・エレクトリックのバランスシートには3,230億ドルの負債が載っており、複合企業の中ではとびぬけて負債が多いです。これはGEキャピタルのビジネスがレバレッジを必要とすることにも起因しています。

レバレッジの高いビジネスはリーマンショック以降、敬遠される傾向がありますので、これは同社の株価評価にとってマイナスだと思います。

ハネウェル・インターナショナル

ハネウェル・インターナショナル(ティッカーシンボル:HON)は空調、航空関連(ターボファン、主脚の車輪・ブレーキなど)、自動車関連など、多様なビジネスを展開しています。

同社のビジネスは地味なものが多く、たとえばGEのエンジンのような高マージンのビジネスとは縁がありません。

それでも同社は収益性の改善に多大な努力を払ってきました。過去10年の間に営業マージンは9.2%から16.7%まで改善してきました。現在の水準でも未だ業界平均より低いです。まだ改善の余地は残っていると思われます。

同社のバランスシートは強固です。また配当は安全です。

スリーエム

スリーエム(MMM)は工業(テープ)、ヘルスケア(傷口をふさぐテープ)、コンシュマー(ポストイット)、安全・標識(ゴーグル)、エレクトロニクス(LCDフィルム)の分野に事業展開しています。

同社のそれぞれの部門は年率3~7%程度で成長しており、他の複合企業より成長の速度が速いです。

またビジネスの分散は理想的であり、他の複合企業より景気に左右されにくいです。

営業マージンは26%前後であり、競合他社に比べて高いです。

スリーエムのバランスシートは強固で、保守的な投資家向けの銘柄と言えます。

ユナイテッド・テクノロジーズ

ユナイテッド・テクノロジーズ(ティッカーシンボル:UTX)はエレベーターのオーチス、ジェット・エンジンのプラット&ホイットニー、ヘリコプターのシコルスキーなど華やかなブランドを傘下に持っています。

同社のビジネスの多くはこれからサイクルが上向くと考えられています。空調ではインドからの需要増加が期待されます。2012年に買収したグッドリッチは同社の航空関連のビジネスとシナジーが高いです。

同社のバランスシートは強固で、配当は安全です。

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