実は会社員の7人に1人、450万人以上が利用している401k

退職金や企業年金の一部ないし全部を移行し、自己責任で運用する制度が確定拠出年金(日本版401kともいう)です。自分で決めた結果に自分の老後の資産形成が左右される厳しい制度ですが、個人投資家にとってはむしろやりがいのある制度だと思います。

1月の日経新聞では、2014年度中にも500万人に達し、普及期に入るという記事が掲載されています。今年の4月に確定拠出年金を実施した会社の実数が報告されるのは数カ月後のことですが、1月末速報値が465万人でしたので、おそらく485万人くらいになったと思われます。大企業の採用が何社かあれば、確かに500万人が見えてくる状況です。

ここでいう確定拠出年金は、会社が社員を対象に実施する企業型と呼ばれるものですが、いわゆる正社員(厚生年金加入者)が3472万人(2013年3月末)なので、比較時点が違うのを承知で概算してみると、普及率13.4%になります。ざっくりいって、7~8人に1人が制度に加入している計算になります。

確定拠出年金の口座は、定期預金や生保商品(元本確保型商品)と投資信託を自由に購入できる口座となっており、銀行の総合口座と証券口座を一体となって保有しているような仕組みになっています。つまり、普通の会社員が強制的に投信購入ができる証券口座を開設したようなものです。

かつて証券口座と言えば高齢者や富裕層が作るものでしたが、これをネット証券が打破し若い世代にも証券口座を気軽に利用できるものとしたように、確定拠出年金制度も現役世代、資産形成層に証券口座を開設させたという大きな役割があります。そう考えるとこの465万口座はとても大きな意味があります。

確定拠出年金口座活用の基本ルール

もしあなたの会社に確定拠出年金が採用されているか、今後採用されることがアナウンスされたとしたら、手元の証券口座の売買とは別に、資産形成上の証券口座をもつことになりますので、フル活用したいところです。確定拠出年金口座のポイントは以下のとおりです。

  • 入金額は会社が決める(ただし、月額の入金上限があり、最大でも月額51000円です。秋頃には55000円に引き上げ予定)
  • マッチング拠出を認める会社では個人の懐から追加入金ができる(これも利用額の制限あり。しかし所得非課税で受け取り時には退職金みなしの税制優遇があるため、NISA以上の税制優遇となる)
  • 運用商品のリストは会社が決めて一律に全社員に提示される(全国平均的には17本前後。適合性の原則は関係なく全社員に同じ商品群が示される)
  • 運用の指図はネットないしコールセンターを介して行う(ネット証券利用者にとっては違和感ないと思いますが、スマホかパソコンのブラウザからアクセスする)
  • 投資信託の解約→投資信託の購入を指示すると、受け渡し日数がかかるため、購入は数日後の価格で成立する(手続きは一度でいいが、現金の引き渡しが完了後、次の商品の買い付けにいくため売買タイミングはねらえない)
  • マッチング拠出を行った場合、会社のお金と個人のお金は合算されて1口座で管理される(別アカウントとして管理されない)
  • 原則として60歳まで解約できず運用を継続しなければならない(残高50万円以下であって退職後専業主婦になった場合などに限られる)

ちょっと使いにくさがありますが、これも税制優遇があるからです。NISAと同様、譲渡益は非課税ですし、確定拠出年金は何度売買しても譲渡益非課税が継続します(60歳まで受け取れ ないのだから当然ですが)。

この口座、手元にある証券口座とどう併用し使っていくのがいいのでしょうか。少し考えてみます。