個人の投資で重要なことは銘柄選びより「追加入金」

 新社会人や20代については、当然ながら資産はわずかです(相続財産などがない限り)。これから何十年もかけて、体ひとつを資本として何億円ものお金を稼ぎ、そこから資産を積み上げていくしかありません。

 このとき、投資については運用益だけでお金を増やすものだと決めつけている人が多いのですが、個人の投資において、国の年金運用を大幅に超過したリターンを得続けることは現実的ではありません。

 仮に短期的に実現できても、実際には高いリスクを抱え込んだチャレンジが「たまたま」当たったと考えるぐらいが個人にとってはちょうどいいスタンスです。裏目に出たら増やし続けるどころか減り続けていたかもしれません。ある種の謙虚さは投資においては有効で、自信過剰(オーバーコンフィデンス)はたいてい個人にとってマイナスのファクターです。

 このとき、堅実に資産を増やし続ける「運用法」がひとつあるとしたら、それは追加入金を定期的に継続することです。

 少額でもいいので、追加入金と購入を自動化して、資産形成の基礎を作ることをオススメします。自動引き落としによる積み立て投資を行える商品として、使い勝手がいいのは投資信託です。楽天証券の投信積み立ての場合、対象投信は1,000円から積立可能ですから、新社会人であっても「2,000~3,000円くらいでやってみるか」というチャレンジができます。

 実行しない人と、実行した人のあいだでは、運用の巧拙以上に「追加入金」の差で資産の成長速度が変わってくることでしょう。たかが数千円も、数年後には数十万円になっていくのです。