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先週も想定通りユーロ高から日米株価一段高…ここから2つのパターン
出島 昇
柴田罫線実践教室
株式会社オルタナレッジ「柴田罫線」で分析した提供レポートです。 「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析、また今後の見通しなど幅広い情報提供をおこなってまいりま…

先週も想定通りユーロ高から日米株価一段高…ここから2つのパターン

2010/6/22
出島昇氏が「柴田罫線」というテクニカル分析をベースに、株式相場の分析、また今後の見通しなど幅広い情報提供をおこなってまいります。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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本日は中国人民元の「弾力性強化」を評価し急反発

先週は、ユーロの戻りから日米の株価はさらに戻りを試す局面もとしましたが、欧州各国の国債の堅調な入札を受けユーロが買い戻されて、日米の株式市場は想定通り一段高となりました。すでに前週末(6月11日)にザラ場でのダブル底のような形を作っており、先週の6月15日(火)には欧州財政懸念が後退したことで、NYダウは△213ドルの10,404ドル、ナスダックは△61Pの23,05Pとなって短期の買転換が出現となって、目先はダブル底を形成しました。翌日の6月16日(水)は、日経平均も△179円の10,067円となって短期の買転換となって同じようにダブル底を形成した形となりました。日米共に短期の買転換としているのは、昨年3月の安値からの上昇トレンドをいったん下に切っているためで、このような場合は戻り売りとなる可能性が高いからです。また、ギリシャに端を発するヨーロッパの高債務国の財政問題も根本的な対策は出ておらず、再びユーロ安になることも想定しておかなければなりません。

ドルに対して円安が進行しなかった理由…6月19日の中国人民銀行による「人民元弾力性」声明

日経平均の戻りは、現時点では10,300円水準(最大で10,500円)を想定していますが、アメリカ株式に比べると先週はやや弱い戻りといえました。それは、為替でユーロに対しては円安が進んだものの(108円から一時113円台へ)、ドルに対しては円安が進まず、逆に先週末には90円の円高となっています。想定では、ユーロ高となればドルに対しても円安が進むとみていましたが、ドルに対しては円高となっていたことで、6月17日(木)のアメリカでの経済指標(新規失業保険申請件数、6月フィラデルフィア連銀景況指数)の悪化が原因なのだろうと考えました。しかし、6月20日(日)の日経新聞のトップ記事「人民元弾力性を強化」ということで理解できました。中国が人民元の切り上げを再開すれば、アジア通貨が一時的に買われ円も買われる可能性があるため、この「人民元の弾力性強化」の情報を早めに手に入れた側が円を買っていたということになります。これは、2008年7月からドルに固定してきた人民元相場の変動を再び認め、小幅で緩やかな元相場の切り上げを再開する方針を打ち出したことになります。週明けの日本市場では、この報道を受けて市場関係者は円が買われてくるとみていたところ、1ドル=90円台のままで落ち着いていることで買い安心から日経平均が大幅上昇となりました。

目先は、人民元の切り上げ再開を巡って2つのパターンを考える

6月19日(土)の中国人民銀行による『人民元の弾力性強化』の声明は、「G20を前に、元切り上げの圧力回避を狙って、とりあえず為替の弾力化という方針を示すことで改革への努力アピールした」という見方が広がっています。為替市場では、中国と経済的にも地理的にも結びつきが強い日本やアジア通貨の上昇につながるとの見方が強いわけですが、週明けの6月21日(月)の時点ではドルに対して円は前週末の90円台からはほとんどかわっていません。ただ、週明け以降いったん円高にふれるとの予想もありますが、その場合でも2005年の切り上げ時を例にとると直接的な円高は長続きしなかったため、円高となっても一時的だという見方が多いようです。円が一時的に上昇しても89円ぐらいのものと考えられますが、その場合日経平均に影響するのかどうかということです。目先、日経平均は10,300~10,500円としていますが、本日すでに10,200円台まで上昇してきました。ここからの上昇は、中国元の切り上げ幅とそれに連動しての円高の影響をどう受けるのかとなります。円高が90円を切って進行する場合と、それほどの円高とならない場合の目先の日経平均の2つのパターンを考えてみましょう。

1 元の切り上げにつれて、円が90円を切ってくる場合

目先は、主力の輸出関連株が売られて、日経平均はいったんの下落となる可能性があります。その場合は、10,000円を切って9,800円台くらいまでの可能性がありますが、出遅れ銘柄の押し目買いのチャンスとなります。元の切り上げで連動した円高も、再び円安トレンドになってくることが想定され、日経平均は再び10,300~10,500円を目指すことになります。この場合は、いったん押し目をつけての上昇ですので、上値が少し余裕が出てくることも考えられます。

2 元の切り上げにつれて、円高がそれほど進行しない場合

本日の上昇はまさにその動きで、中国元の切り上げは長い目でみると「中国とアジア経済、引いては世界経済と均衡ある成長に貢献することになる」という見方から買われているといえます。時間外でナスダック先物も大幅上昇となっています。このまま上昇すれば、目標とした10,300~10,500円に接近しますので、このゾーンにはいってくるといったん調整する可能性があります。調整後さらに上昇するかどうかはヨーロッパの財政問題とユーロ、NYダウなどの相場環境次第となります。

(指標)日経平均

先週の6月14日(月)の予測では、ユーロの買い戻しが堅調であれば日米共にさらに戻りを試すとしました。6月14日(月)は、ユーロが円に対して112円台まで買われたことやNYダウの堅調さを受けて△174円の9,879円と前週末のSQ清算値9,747円を上に抜けました。さらに6月15日(火)は、△8円の9,887円となって25日移動平均線を突破したことで、さらなる上昇が期待できる形となりました。この日の引け後のアメリカ市場では、欧州各国の国債の入札が堅調なことやNY連銀製造業景気指数の11ヶ月連続上昇を受けて、NYダウは△213ドルの10,404ドルと5月19日以来の水準となりました。これを受けて、6月16日(水)の日経平均は、ユーロ高・円安も続いていることから△179円の10,067円となって短期の買転換出現となり、ザラ場での9,395円、6月9日の9,378円をダブル底とする形が確定し、さらに戻りを試す形ができました。その後は、ドルに対して円安が進まず、むしろ円高方向にあることから上値重く、6月7日(木)は▲67円の9,999円、6月18日(金)は▲4円の9,995円となりました。

先週末に円がドルに対して円安とならなかった理由が、6月19日(土)の中国銀行の「人民元の弾力性強化」声明によってわかりました。元の切り上げはアジア通貨が買われる形となり、円も買われてくるとの見方があるため情報を早目に入手した側が円を買っていたということになります。しかし、週明けの本日(6月21日)は市場の予想に反して円が落ち着いていたことで買い安心が広がり、日経平均は△242円の10,238円となりました。目先目標とした10,300円に近づいてきました。このまま10,300~10,500円に突入していくのか、それともいったん下落となるのかは、中国元の切り下げの程度と円の動きによります。下落となれば、出遅れ株の押し目買いとなります。

日経平均

(指標)NYダウ

前々週末の6月4日(金)は、雇用統計の悪化とハンガリーの財政赤字拡大を嫌気し、▲323ドルの9,931ドルと1万ドルを割れて引け、柴田罫線の昨年3月9日の6,440ドルからの上昇トレンド(B)を下に切って売転換となりました。ただし、目先は5月25日の9,774ドルに対するダブル底になるかどうかに注目としました。

週明けの6月7日(月)は、欧州危機の拡大懸念やユーロ安の進行で▲115ドルの9,816ドルとなって昨年11月以来の安値となりました。6月8日(月)は、9,757ドルまで下落して、5月25日の9,774ドルを少し切って急反発となり△123ドルの9,939ドルとなり、想定したように5月25日の9,774ドルに対するダブル底のような形となって反発しました。6月9日(水)は、▲40ドルの9,899ドルと反落するものの、6月10日(木)は好調な中国の経済指標やトリシエ欧州中央銀行総裁の危機対策発言でユーロの買戻しがはいったこともあり、NYダウは△273ドルの10,172ドルの大幅反発となりました。週末の6月11日(金)は、6月のミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったことで△39ドルの10,211ドルで引けました。

先週の6月15日(火)は、スペイン、アイルランド、ベルギーの国債入札の順調な結果やNY連銀製造業景気指数が11ヶ月連続の上昇となったことで△213ドルの10,404ドルとなって買転換出現となりました。ザラ場での5月25日の9,774ドル、6月8日の9,757ドルをダブル底とするチャートの形が目先はできあがったことになります。その後も、6月16日(水)の△4ドルの10,409ドル、6月17日(木)の△24ドルの10,434ドル、6月18日(金)の△16ドルの10,450ドルと4日続伸で引けました。週足では、2週連続の陽線となっており週足での売りの伏線となります。目先は10,600ドル台はフシとなります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、ユーロが大きく戻す場面があれば、ドルも93円を目指す動きを想定しました。ユーロは円に対して一時113円台まで戻す場面がありましたが、ドルに対しては逆に円高基調となって方向感のない展開となっています。週前半の6月16日(水)までは91円台の半ごろとほとんど動きがありませんでしたが、6月17日(木)にはアメリカの経済指標が予想を下回ったことでドル売りが強まり90.524円までの円高となり、ろあ売出現となりました。6月11日に91.640円でろあ買が出たあとでの短い期間内での売り法則の出現は、方向感のない保ち合い状況となっていることを示します。目先は、昨年11月27日の84.769円からの上昇トレンド(C)にアタマを押さえられた形ですので、いったん下げて、次に6月11日の91.640円を抜いてくると93円を試すことができます。先週末の6月19日(土)に、中国人民銀行が人民元の「弾力性強化」の声明を出し、人民元の切り上げ再開の方針を示しました。切り上げの幅によっては円が連動して買われることになりますが、その場合でも89円台くらいのもので、その後は円安方向となってくるでしょう。

ドル/円

 

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