先週は、NYダウと日経平均はちぐはぐな動き

日経平均は、底打ちを確認しないままで2月17日(水)から反発し、2月19日(金)には前日のアメリカ市場の引け後にFRBが公定歩合を引き上げたことで、NYダウはが大きく下げることを想定し、日経平均は▲212円の10,123円と大きく売り込まれて引けました。ところが、当局が近い将来の利上げについては否定的な考えを示したことで、材料としては中立状態となり、翌日の2月19日(金)のNYダウは△9ドルの10,402ドルと落ち着いた動きで引けました。

そのため、週明け2月22日(月)の日本市場は、為替の1ドル=91円台後半の円安ということもあって先物主導で急速な買い戻しがはいり、△178円で寄り付くと10,449円まで上昇し、その後は高値圏で推移し△276円の10,400円の大引けとなって、NYダウの2月18日(木)のあろ買出現につづいて日経平均もこの日にろあ買が出現しました。NYダウは週末にも続伸となってS&Pが△2Pの1,109Pと上値抵抗ラインをぬき、テクニカルモードも上昇へと変化してきましたので、さらに戻りを試す形となりました。そのため底打ちの形ができていない日経平均もろあ買が出現しましたので、NYダウ次第で戻りを試してくとしました。

しかし、今週は世界的にはギリシャの財政問題の懸念が消えずアメリカでは経済指標の悪化が目立ち、日本市場はトヨタのリコール問題や為替の円高基調と多くの悪材料が入りまじり、NYダウと日経平均はチグハグな動きとなりました。週始めに書いたように、日米ともに出来高が少なく短期資金が目先の材料によって動いていますので、全面高とか全面安とかのあらい動きとなっています。NYダウのさらなる戻りは、テクニカルモードが上昇中のため期待できますが、日経平均の場合は為替の方向が円安方向かと思えば円高方向というように、どっちつかずのため、わかりずらい動きをしています。ただNYダウが戻りを試せば遅れても日経平均も後を追っていくというパターンにはなると思われます。週末の2月26日(金)に、日経平均が10,000円を割っていれば先週始めに説明したように、今週のSQ1週前の週前半に安値をつけて後半大きく上昇し、SQに向けてさらに上昇していくということも想定されました。NYダウとは連動しない、日本独自のSQまでの動きもでるところでした。結局、週の終値は△24円の10,126円となり、本日(3月1日)も△46円の10,172円と上昇してきました。明日、あさってと大きく下げたあと急反発の形となれば別ですが、今回も日柄が合わなくなってきました。

今回は、日柄が合わず、そのまま上昇すれば次の下落では要注意

今週は、アメリカの方では今晩ISM製造業景況指数の発表があり、週末には最も重要な雇用統計の発表があり、これに為替がからんでくるため方向感のない展開が想定されます。それに加えて3月16日(火)のギリシャの財務再建計画提出期限を控えて、ソブリンリスクに関する憶測が飛び交っており、その前に国債が売れるかどうかですが、ユーロが見捨てるわけにもいかず結局、国債が売れていったん落ち着くところがでてくるかもしれません、又、火曜日にはトヨタの一連の公聴会が終わり、こちらも落ち着いてくるところです。

日経平均の日柄からみると、2月17日(水)は底打ちをしないで反発し、日柄が合わず2月22日(月)に△276円の10,400円となって、ろあ買が出現するものの戻り売りの形としました。結局、この日の高値10,449円をつけて下落となり、週末(2月26日)は10,126円で引けました。このまま週前半下げて週後半反発となれば2回目の日柄とピッタリあって再び戻りを試していくところですが、本日は△46円の10,172円となりました。注意すべきは週前半下げないであまり上昇せずに目先のピークを迎えて下落に転じると今度は大きな下落となってきます。つまり、今回も日柄が合わず逆に上昇すると要注意ということです。

本日(3月1日)は、アメリカ株式の小反発、商品相場の上昇を受けて△2円の10,128円で寄り付いたあと、市況関連中心に堅調に推移し、アジア株式の堅調さを受けて10,215円まで上昇するものの、為替が89円台の前半と円高基調にあることから上値重く上昇幅を縮小して△46円の10,172円で引けました。このまま戻りを試せば(NYダウが上昇した場合)その戻りは要注意となります。出来高や売買代金を伴っていないため、戻りのピークのあとは悪材料で急落というパターンも想定しておかなければなりません。新規の買いは押し目買いにしてももう一段下落するのを前提に買う心構えが必要です。日経平均の9,900円水準で買った銘柄があればここからの上昇は利益確定するタイミングを考えた方がよいでしょう。リスクの少ない買いはあらためて戻りのあとの大きな下落を待つことになります。

(指標)日経平均

NYダウが2月18日(木)に10,392ドルでろあ買が出現したのにつづいて、日経平均も2月22日(月)に10,400円でろあ買が出現しました。但し、日経平均は当面の底打ちを確認していないため戻り売りの形になるとしています。NYダウの戻りに合わせて日経平均も戻りを試すところですが、トヨタのリコール問題や為替の円高基調からNYダウの上昇に連動しない動きとなっていました。2月24日(水)は前日のNYダウの下落に合わせて▲153円の10,198円となったものの2月25日(木)は前日のNYダウが大きく反発したにもかかわらず▲96円の10,101円となりました。2月26日(金)の日経平均は、前日のNYダウが▲188ドルまで下げて終値は▲53ドルの10,321ドルとなったことで底堅い動きとなって△24円の10,126円となりました。日経平均独自の動きでいえば、今週の前半は2回目の日柄となるところで、週前半安く、後半上昇となれば来週のSQに向けて上昇が想定されるところでしたが、3月1日(月)は△46円の10,172円となりました。明日、あさって下げることができなければ、今回も日柄が合わずNYダウにつれて上昇したとしても戻りは鈍くその戻りのピークからの下げは大きな下落となる可能性があります。買チャンスはそうなった時を待つことになります。

日経平均

(指標)NYダウ

先週(2月22日)の予測では、2月18日(木)にろあ買が出現し、その翌日の続伸やS&Pが上値抵抗ラインをぬけたことで、さらに戻りを試す形としました。2月24日(火)は、2月の消費者信頼感指数が予想を大きく下回ったことで▲100ドルの10,282ドルとなったものの、翌日(2月24日)は△91ドルの10,374ドルと反発、しかし、2月25日(木)はギリシャ問題への懸念や経済指標の悪化から一時▲188ドルの10,185ドルまであって終値は▲53ドルの10,321ドルとなりました。週末の2月26日(金)は1月中古住宅販売件数が前月の544万戸から505万戸(▲7.2%)と予想外の減少となったことで一時▲48ドルの10,272ドルとなるものの、10-12月期GDPが前年比年率△5.9%と予想の△5.7%を上回ったことで、△4ドルの10,325ドルと小反発しました。テクニカルモードが上向きであったため、一気に戻りを試してもおかしくないところですが、ヨーロッパ各国の財政問題懸念や経済指標の悪化からもみあいとなっていました。目先は1万ドルを切らなければ戻りを試すことになりますが、2~3回下げが続いてくると、テクニカルモードも下向きに変わってきて上値は限定的なもみあいとなってきます。今週は、あまり下げずに早目に戻りを試していけるのかどうかに注目となります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週始めの予測では、92円台は抵抗ラインであり、大きな動きにはならないが、90円~93円のボックス圏の動きとしました。しかし、ヨーロッパ各国の財政問題が懸念され、又、アメリカの経済指標の悪化もあって、外貨に対する円高となって90円を切って88円台へはいってきました。2月24日(水)までは、終値では90円台を守っていましたが、2月25日(木)はギリシャの混迷によるユーロ売りから円高が進行し、ドルに対しても円が買われNYダウが一時150ドルをこえる下げとなると、88.798円までドルが売られ終値では89.131円となってろあ売出現となりました。週末はドイツ議員が「ギリシャ救済の決定はなされていない」と発言したことで、ユーロ買い、ドル売りが加速し、円に対してもドルが売られて終値で88.856円となっています。2月12日に89.968でろあ買(短期の買転換)出現となっており、これは88円~92円のボックス圏の中で保ち合い状況となっていることを示しています。88円を試したあとは再度円安基調となってくることになります。

ドル/円