9月2日
8月のカジノ総収入は市場予想通り、第4四半期の好況を予想

マカオのカジノ総収入は8月に市場予想通りの水準に達し、BOCI予想を小幅に上振れた。夏場の来客数の伸びや、週末が5回あったことなどが背景。ただ、BOCIは季節要因から9月の同収入が前月を下回ると予測し、第4四半期に再び上向きに転じるまで、短期的には利益確定の売りが出るとみている。一方、8月に発表されたカジノ銘柄の4-6月期決算を受け、ファンダメンタルズ面の健全性や業界大手としての地位を理由にサンズ・チャイナ(01928)、銀河娯楽(00027)をトップピックに選定。ほかにMGMチャイナ(02282)に対しても強気見通しを明らかにしている。

8月のカジノ総収入は前年同月比17.6%増の307億パタカ(1パタカ=約0.99HKドル=約12.7円)と、BOCI予想の300億パタカを上回った。夏休み効果を背景とした人気エリア「コタイ」地区での一般客部門の好調が背景。また、週末が5回あったことも総収入の押し上げに寄与した。8月には台風11号「ウトア」がマカオに上陸したものの、平日に当たったことでマイナス影響は最小限にとどまった。

1-8月のカジノ総収入は前年同期比16.3%増の3320億パタカと、BOCIの通年予想(前年比16.3%増)に並ぶペースとなった。ただ、新学期に当たる9月の総収入は前月比で落ち込む見通し。BOCIは前年同月比19.4%増の285億パタカを見込んでいる。

中国政府当局およびHSBCが集計している2つのPMI(製造業購買担当者景気指数)の改善を受け、VIP部門に対する先行き見通しが上向き、カジノ銘柄の支援材料となっている。BOCIは短期的な利益確定の売りを見込みながらも、第4四半期には10月のゴールデンウィーク効果もあり、カジノ総収入が力強い伸びを示すと予想。一般客部門の好調が同期の利益成長に寄与するとみている。

個別ではサンズ・チャイナと銀河娯楽をトップピックとし、ほかにMGMチャイナに強気見通しを示す一方、ウィン・マカオ(01128)に関しては最近の株価上昇を受けた値ごろ感の後退を理由に慎重見通しを明らかにしている。うちMGMチャイナについてはジャンケット(VIP世話人)の再編を背景に4-6月期決算が予想を上回ったとし、カジノテーブル単位のイールドマネジメントの強化が今後も利益成長を後押しするとの見方。VIP部門が業界平均を上回る伸びを示すとともに、一般客部門も力強い伸びを維持するとみて、13-14年の収益見通しを上方修正した。

また、銀河娯楽も4-6月期決算が市場予想を上振れたとし、VIPおよび一般ハイエンド顧客向けの新たな戦略が好決算に寄与したと指摘している。一方、澳門博彩控股(00880)に関しては同期決算が予想水準に届かなかったとし、マカオ半島エリアのカジノ施設が第3四半期に閑散期を迎える見通しに言及。短期的には支援材料に欠けるとの見方を示している