12年12月本決算は21%減益、日系ブランド車の販売不振で主力の自動車部門が低迷

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01828 大昌行集団有限公司(ダー・チョン・ホン・ホールディングス)  7.96 HKD
(02/28現在)
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大昌行集団の2012年12月本決算は、売上高が前年比4.1%増の480億1400万HKドル、純利益が同21.0%減の10億4500万HKドル。EPSは0.57HKドルと市場予想を下回った。自動車、食品、物流の各部門はそれぞれ3.8%、5.6%、18.7%増収を達成したものの、12年上期の20%近い2ケタ成長に比べると減速。部門利益は食品・消費材部門が前年比27%増と健闘したが、主力の自動車部門が同30.8%減に落ち込んだ。新車販売の利ざや縮小のほか、財務コストの増加、投資不動産の再評価益減少も利益を押し下げた。

12年の国内新車販売台数は前年比5.2%減の8万1000台と、業界平均の4.3%増を下回った。9月以降、尖閣問題を受けた日系ブランド車の販売不振が影響し、自動車部門の国内売上高は12年上期の前年同期比25%増から、下期は同12.2%減に一転。69の4S特約店(新車販売、アフターサービス、部品供給、顧客情報管理の4つの機能を持つ販売店)のうちおよそ半数が日系ブランド・ディーラーで、BOCIの試算では同社の自動車販売の約60%を日系ブランドが占めている。また、値引きやプロモーションにより新車の利益率が大幅に縮小した上、在庫の増加で財務コストもかさみ、利益率は前年の3.1%から2.0%に縮小。国内部門の純利益は前年比34.5%減に落ち込んだ。さらに、12年は国内特約店の新設は、当初目標の年間10-15店を大幅に下回る4店にとどまった。経営陣は今年、15店のオープンと不採算の4店舗閉鎖を計画している。

香港・マカオでの12年新車販売台数は前年比1.6%減の1万800台だった。一方、業界平均は2.7%増。同社の香港市場でのシェアは11年の21.0%から19.4%に縮小した。新モデル投入の遅れと円高が悪影響し、同地域の純利益は前年を9.4%下回った。

食品・消費材部門の売上高は前年比5.6%増。中でも香港・マカオ市場が9.5%増と好調だった。部門利益は前年比27%増の2億700万HKドル。香港・マカオ市場が30.1%増と牽引した。特に食品加工と日用品事業が好調だった。

13年は新車販売台数の回復および粗利益の改善が見込まれる。ただ、日系ブランドの状況は不透明な上、業績不振のベントレー販売店の赤字が利益に影響する見通し。BOCIは同社の13-14年予想EPSをそれぞれ0.56HKドル、0.69HKドルに下方修正。株価は現在、13年予想PER14倍の水準にあるが、BOCIは魅力が薄いとみて、投資判断を中立に据え置いている。目標株価については13年予想PER13倍の7.30HKドルに若干引き上げた。