12年12月本決算はコンセンサスを上回る大幅増益、13年も好調維持の見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01070 TCL多媒体科技控股有限公司(ティーシーエル・マルチメディア・テクノロジー・ホールディングス)  5.55 HKD
(02/27現在)
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TCL多媒体科技控股有限公司の2012年12月本決算は、売上高が前年比20.5%増の396億8500万HKドル、純利益が同101.1%増の9億1100万HKドルに達した。売上高、純利益ともコンセンサス予想をそれぞれ2.3%、16.9%上回る水準。高付加価値製品の販売増によるプロダクトミックスの改善や垂直統合型の生産体制による効率化が奏功。液晶テレビの販売台数が前年比43%増の1553万台と好調で、通年目標の1520万台を超えた。利益率の高い3Dテレビとスマートテレビの普及が進み、それぞれ販売台数の28.9%、77.7%を占めた。

13年もプロダクトミックスと利益率のさらなる改善が見込まれる。垂直統合型生産体制の強化により新製品の出荷時期を早め、さらにプロダクトミックスの改善により利益率を高める方針で、好調維持を目指す。系列のパネルメーカー、深セン市華星光電技術有限公司(CSOT)は、13年9月までに大型パネル生産能力を高め、46インチ以上の大型パネルの出荷を拡大する計画。パネルの35%をCSOTから調達するTCLは、CSOTの生産能力拡大により、コストを削減しつつ、より多くの大型パネルテレビの出荷が可能になる。BOCIは13年の液晶テレビ出荷台数が全体で前年比18%増、国内市場で11%増と予想。利益率の高い3Dテレビが国内出荷台数の41%を占める見通し。

また、13年は海外市場の大幅成長と利益貢献が期待される。新興国市場では引き続き買い替え需要が強く、今年のLCDテレビ売上高は少なくとも前年を20%上回る見通し。さらに、日本の家電メーカーが徐々にテレビ製造を縮小し、より上流部門に移行していることから、中国メーカーがシェアを高める好機にある。11年と12年の液晶テレビ市場シェアをみると、世界市場および中国市場における日系メーカーのシェア縮小が顕著に現れている。TCLは12年世界市場で前年の4.8%から5.8%にシェアを伸ばし4位に浮上。国内では14.8%から18.0%に拡大し3位から首位に躍り出た。

BOCIはTCLの目標株価を13年予想PER8.5倍の6.80HKドルに設定。投資判断は強気の見方を継続している。