2月15日
1月の輸出は前年同月比25%増、当面の緩やかな回復基調を予想

税関総署の最新統計によると、中国の2013年1月の輸出額は前年同月比25%の伸びを記録した。前月の同14.1%増から明らかに加速し、BOCIの予想を大きく上振れた。また、1月には輸入額も同28.8%増加し、前月の同6%増から急加速した。旧正月の時期的なずれ(12年は1月、13年は2月)という季節要因が輸出入の急増を支えた一因であり、季節調整後の1月の輸出、輸入はそれぞれ同12.4%、3.4%の伸びとなる(前月は同19.2%増、11%増)。また、1月の貿易黒字は291億米ドルと前月の316億米ドルからやや縮小した。BOCIは米国経済や中国国内需要の緩やかな回復基調を理由に、短期的には中国の輸出入が小幅の回復傾向を維持すると予想。完成品価格を上回る原材料価格の反騰を背景に、向こう2-3カ月間は輸入が相対的に高い伸びを示すとみている。

1月には祝日効果で、大半の相手国・地域向けの輸出が大幅に増加。12年通年に前年比6.2%落ち込んだEU向けは、1月に前年同月比5.3%のプラス成長を回復した。BOCIは欧州中央銀行(ECB)による金融緩和がユーロ圏の銀行システムの安定化に寄与したとみて、13年にはこの点が中国の輸出にプラスに作用するとの見方だ。ただ、年内はユーロ圏景気の低迷が続くと予測し、EU向け輸出の力強い回復は期待しにくいとみている。一方、米国向け輸出は1月に同14.6%増と好調だったが(12年通年では前年比8.4%増)、BOCIによれば、“財政の崖”問題を取り巻く不透明感が民間需要、特に企業投資の重しとなる中、米国経済は第1四半期に一時的に減速する見込み。これが中国の上期の対米輸出に影を落とす見通しという。このほか、新興市場向けの輸出はこれまで数カ月にわたって相対的に堅調を維持し、1月も好調だった。香港向け輸出が前年同月比88.3%急増し(12年通年では前年比20.7%増)、ASEAN向けは48.8%増(同20.1%増)、台湾向けは52.6%増(同4.8%増)と軒並み加速。カナダ、南アフリカ、ブラジル向けはそれぞれ11.4%増(同11.3%増)、44.6%増(同14.7%増)、6.4%増(同5%増)。日本向け輸出も上向き、1月には前年同月比5.9%の伸びを示した(同2.3%増)。

一方、品目別に見ると、ここ数カ月は資本財の輸出が段階的に加速傾向を示している。季節要因や米国の不動産市況および設備投資の回復が背景。1月には自動データ加工設備の輸出額が前年同月比19.8%増加し(12年通年では前年比5.1%増)、集積回路(IC)が104.8%急増(同30.7%増)。また、機械・電気設備、ハイテク製品の輸出額もそれぞれ25.1%(同8.7%増)、42%(同9.6%増)の伸びを示した。ただ、人件費やその他投入原価の高騰が響き、従来型の労働集約型製品の一部で中国の輸出競争力が後退しており、衣類・服飾の1月の輸出額は相対的に低い前年同月比12.1%の伸び。玩具は2.5%増と、輸出全体の伸びを大きく下回るペースにとどまった。