12年第4四半期に好決算達成、携帯端末市場の拡大で13年に成長加速へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00981 中芯国際集成電路製造有限公司(エスエムアイシー) 0.47 HKD
(02/08現在)
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エスエムアイシーの2012年第4四半期の売上高は前年同期比67.8%増の4億8,589万米ドルに達し、市場コンセンサス予想を3.8%上回った。また、同期純利益は3,966万米ドルと(前年同期は1億6,521万米ドルの純損失)、市場予想を165.5%上回る水準。一回性利益を除外しても、市場予想を28%の幅で上振れた。第1四半期は例年閑散期に当たるが、BOCIは13年同期の堅調を予想。さらに携帯端末デバイスの需要期に当たる第2四半期以降については、中国市場の拡大を背景とした成長加速を見込み、向こう4四半期にわたる黒字計上を予測。同社株価の先行きに強気見通しを継続している。

2012年12月本決算は、売上高が前年比29%増の17億米ドル。純利益は1660万米ドルと、7年ぶり最高益となった。うち第4四半期の大幅増収は主に携帯端末向けIC(集積回路)の需要増によるもの。粗利益率は前期の27.5%から19.9%に低下したが、これは上海の12インチ・ファブの量産化に伴い、研究開発費に計上されていた生産関連コストが売上原価に算入されたことが主因であり、一回性の不動産売却益を除く営業利益は前期比57%の伸びを示した。また、第4四半期の設備稼働率は90.5%と、これで3四半期連続して90%超の水準を維持した。続く13年第1四半期について、BOCIは季節要因から前期比5-8%の減収を見込みながらも、スマートフォン向けなど一部部門の堅調を予想している。経営陣が示した売り上げ見通しは「前期比1%増-2%減」となっている。

同社は12年に営業効率や顧客サービス、品質などの向上に向けて努力し、顧客信頼感の向上を実現。これが結果的に設備稼働率の改善に寄与した。中でも国内顧客向けの売上高は前年比34.1%増。工業・情報化部傘下の中国ソフトウェア・IC促進センター(CSIP)が12年11月に行った調査では、国内のファブレス企業の約75%が「好ましいファウンドリ・パートナー」にエスエムアイシーを挙げ、この割合は前年の59%から明らかに上向いた。また、市場調査会社iSuppliによれば、中国のファブレス業界全体の増収率は12年に前年比15%と、世界平均の4%を大幅に上回るペース。この先の成長潜在力も大きく、国内スマホ販売台数は12年の1億8600万台から16年には3億7700万台へ、向こう4年間で倍増するとみられている。レノボグループ(00992)や華為科技、中興通訊(00763)などの国内スマホメーカーはすでに世界の上位入りを視野に入れており、これがエスエムアイシーの売り上げ増に寄与する見通しという。

ICインサイツの調査によると、12年には世界IT産業の総売上高の24%を携帯端末関連が占めたが、この割合は16年に約32%へさらに上向く見込み。携帯端末は同社のウエハー売上高の約6割を占めており(12年第4四半期)、BOCIはスマホ市場の急成長が真正面からの追い風になるとみている。