12年の販売台数は34%増と好調、13年も25%増を達成へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02333 長城汽車(グレートウォール・モーター) 27.30 HKD
(01/14現在)
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長城汽車の新車販売台数は2012年に前年比34%増の62万台に達し、年初に設定した自社目標の55万台を大幅に上回った。新型モデル「Haval H6」および「M4」投入に伴うSUVの販売好調(前年比90%増の28万台)が背景。BOCIは2013年について、前年同期実績が低い上期に40-50%の伸びを示した後、下期には減速するとみて、通期では前年比25%増の78万台を予測している。また、12年第4四半期の販売台数が予想を上回ったことで、2012-14年の予想EPSを1.79元、2.28元、2.92元に増額修正。2013年予想PER13倍を基に目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社の販売台数は12年12月に前年同月比33.8%増の6万9000台と、月別で過去最高を記録。中でもSUV販売台数が92%増の3万3000台に達した。年間を通じて段階的に売れ行きを伸ばす形となり、四半期ごとの月間平均販売台数はそれぞれ4万2000台、4万5000台、5万4000台、6万6000台と推移。第3、第4四半期にはH6、M4の投入効果で、月間最高記録を相次いで更新した。セダン車販売も第4四半期に巻き返し、12年通期で前年比5.9%増の20万台。ピックアップトラックは輸出拡大を支えに12.3%増の13万7000台に上った。BOCIは13年の販売台数の伸び率を前年比25%と予測し、引き続きSUVが牽引するとの見方(下期に新型H2を発売予定)。セダン車部門は相対的に伸び悩むとしながらも、製品構成の優良化が進むとみている。一方、メーカー、ディーラーを合わせた12年末の在庫総数は歴史的低水準となる0.6カ月分。H6、M4需要の堅調が見込まれる中ですでにフル稼動状態にあり、当面は主力製品の供給ひっ迫が続く見通しという。

同社の粗利益率は部品内製率の高さや優れたコスト管理力、販売価格の安定推移を背景に同業他社を上回る見込み。また、SUVのウエート拡大や高稼働率を受け、12年通期の粗利益率は前年を上回るとみられている。SUVの販売比重は11年に31.8%、12年に45%で、13年には50%超に拡大する見通しだ。一方、12年10月には天津工場1期が操業を開始したが、H6の販売好調を受けて短期間でフル稼働となった。現在の生産力不足は13年下期の天津工場2期の稼動に伴い緩和に向かう見込み。新規設備の稼動は支出増につながるが、BOCIは13年の粗利益率も前年並みを維持するとみている。

同社経営陣はSUV重視戦略を継続し、「中国のSUVエキスパート」を目指す方針。セダン車については低価格ファミリータイプに照準を当てる。13年にはピックアップWingle5の改良型や、SVUのHaval H5改良型、セダン車Voleex C30、C50のスポーツタイプなどを相次いで投入する見込み。さらに天津工場2期の稼動に伴い、新型SUVのHaval H2を発売し、年末にはSUVのHaval H8発表が予想されるという。