10月の販売台数が月別最高を記録、業界平均を上回る成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02333 長城汽車(グレートウォール・モーター) 23.25 HKD
(11/13現在)
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長城汽車の10月の販売台数は前年同月比68.1%増の6万1000台と、月別で過去最高を記録し、1-10月の累計では前年同期比31.7%増の48万4000台に上った。BOCIは通期で60万台に達する見通しを示し、従来予想(58万5000台)を上回る可能性が高まったとしている。また、同社を「優良国産ブランド」として高く評価し、この先の成長持続を予想。2012-13年の予想EPSを1.67元、1.94元に据え置き、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

10月の販売統計を見ると、新型モデル2種「Haval H6」および「M4」の好調を背景に、SUV販売台数が前年同月比160%増の3万1000台強。うちH6の売れ行きは昨年10月の発売以来右肩上がりに推移し、今年10月には1万5000台に達した。今のところ国内市場限定だが、輸出許可の取得に伴い、年末にはさらに販売台数を伸ばすとみられる。一方、M4は今年5月の発売以来、予想を上回る販売台数を記録し、10月に1万台の大台を突破。型落ち感の出たオフロードSUV「Haval H3」と「H5」の販売減(10月に前年同月比25.6%減)をH6とM4がカバーした。ただ、BOCIはうちH5について2013年の改良モデル投入に伴う復調を予想している。一方、セダン販売台数は10月に23%増の1万7000台、ピックアップトラックは20%増の1万2000台だった。

1-10月の販売台数は前年同期比32%増の48万4000台で、うち輸出が28.3%増の8万台に上った。車両タイプ別ではSUVが85%増の21万5000台に達し、ほかにピックアップが14.5%増(11万2000台で、うち輸出が3万5000台)、セダンが3.4%増。相対的に価格が高く利幅の大きいSUVの好調を受け、製品構成、利益構成の大幅な改善が見込まれている。また、10月末時点の在庫台数(メーカーとディーラーの合計)は0.9カ月分と引き続き低水準。H6、M4の供給ひっ迫感を理由に、BOCIは生産ラインのフル稼働を見込んでいる。

2013年にはピックアップトラック「Wingle5」の改良モデルのほか、SUV「Haval H5」改良モデル、セダン「Voleex」C30/C50(スポーツタイプ)、「Haval H6」(スポーツタイプ)を発表するとみられ、13年半ばには新型車「Haval H2」の量産を開始する予定。BOCIによると、H2の競合車種は奇瑞汽車のTiggoや吉利汽車(00175)のGX7、長安汽車のCS35など。長城汽車としてはH6とM4がカバーしきれない空白をH2が埋める形となり、月間販売台数8000-1万台が見込めるという。さらに13年末には「Haval H7」を投入する計画とされている。

同社は明確な製品ポジショニングや高い競争力を武器に、今後も引き続き業界平均を上回る販売伸び率を維持する見込み。BOCI は13年通期の販売台数が前年比15%増の70万台に達するとみている。