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【事例研究】リブセンス株の大幅下落から学ぶべきこととは?(その2)
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

【事例研究】リブセンス株の大幅下落から学ぶべきこととは?(その2)

2014/4/24
今回は、前回の続きとして、リブセンス株を売却するのはどの時点が適切だったのか、そして、それを判断するためには何を見ればよいのかについて考えていきたいと思います。
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プロであればファンダメンタルの変化をいち早く察知した利食い売りも可能だが・・・

今回は、前回の続き( 【事例研究】リブセンス株の大幅下落から学ぶべきこととは?(その1))として、リブセンス株を売却するのはどの時点が適切だったのか、そして、それを判断するためには何を見ればよいのかについて考えていきたいと思います。

よく、「保有株を売却するかどうかは、買った時の(ファンダメンタル面の)前提条件が崩れたかどうかで判断すべき」と個人投資家に説いているファイナンシャルプランナーや専門家・評論家の方々がいますが、筆者に言わせれば、個人投資家がこの方法で保有株を売却するか否かを的確に判断するのは不可能です。

各個別銘柄のことを詳しく調べているプロの投資家であれば、その判断も可能でしょう。しかし、ファンダメンタル分析の能力や環境、情報の面でどうしても制約がある個人投資家が、プロの投資家と同じような基準で売却するかどうかの判断をしようとすると、どうしても判断が遅くなり、適時に正確な判断ができないのです。

リブセンス株が7月に3,255円の高値をつけてから株価が下落した理由は、プロの投資家が業績のピーク(厳密には業績の「伸び率」のピーク)を感じ取り、新規買いを停止して保有株の売却に回ったからと思われます。

つまり、プロの投資家の「買った時のファンダメンタル面の前提条件」は、業績の伸び率が高水準を維持する限り売却せず保有するというものです。そして、7月以降、どうも業績の伸び率がピークアウトしそうだと感じたため、買った時の前提条件が崩れたと判断して保有株の売却を進めていったのです。

個人投資家がファンダメンタルで適切な売り時を判断ことは非常に難しい

では、ファンダメンタル分析によりリブセンス株を買った個人投資家がファンダメンタルで売却するかどうかを判断するならば、どの時点で売却することができたでしょうか。

リブセンス(6054)日足チャート

リブセンス(6054)日足チャート

プロの投資家にはかなわないものの、企業のことをよく調べ、会社四季報のみならず決算短信や決算説明資料も読みこなし、この企業が属する業界の動向も分析し、時には会社のIR部署に疑問点を投げかける、というレベルの個人投資家であれば、遅くとも2月14日の決算発表の時点で、業績の伸び率のピークアウトを感じ取って翌2月17日の寄り付きで売却することができたでしょう。その時の株価は1,790円です。

しかし、多くの個人投資家は、会社四季報や決算短信のみにより「業績が好調で、今後も増収増益が期待できる」と判断し、それが崩れない限りはファンダメンタル面で問題ない、と考えているはずです。実際、2月14日発表の平成26年12月期の業績予想も、大幅な増収増益です。

そのため、彼らは株価が2,000円になっても、1,500円になっても、リブセンスの(表面的な)増収増益の数字だけを見て、そして最高値からの株価の下落幅や下落率をみて、「業績は良いのに株価が安い」とナンピン買いを続けていったのです。

実際、リブセンス株を高値で買って現在も保有している個人投資家や、ナンピン買いを続けて含み損が膨れ上がってしまった個人投資家は相当な数にのぼるのではないでしょうか。

個人投資家の生きる道は「ファンダメンタル分析」+「株価のトレンド分析」

このように、プロの投資家であれば3,000円~2,500円程度で利食い売りが可能なところ、かなりファンダメンタル分析を頑張って実行している個人投資家でさえ、1,790円まで下がらないと売却の判断ができません。そして、大多数の個人投資家は、売り時を見つけるどころか、いまだにナンピン買いを繰り返しているのです。

個人投資家が、専門家の教え通りに「ファンダメンタル面の前提条件の変化」で売り時を判断していては、全く株式投資で利益を上げることはできないのではないかと筆者は非常に心配してしまいます。

でも、ファンダメンタル分析に加え、筆者が本コラムや拙著などで繰り返し述べている「トレンドに従った売買」を実行すれば、リブセンス株で大きな損失を被ることはなかったのです。

筆者は、個人投資家のファンダメンタル分析にはどうしても限界があると考えており、それを補うために株価のトレンド分析を活用するよう提唱してきました。なぜなら、株価のトレンドは、プロの投資家が個人投資家に先駆けて投資判断を下した結果が如実に表れるものだからです。

つまり、プロの投資家が持ち株の売却を進めていけば、株価は下落し、株価のトレンドが上昇トレンドから下降トレンドへ転じていくのです。

迷ったらとりあえず「株価のトレンド」を信じる

ところで、株式投資をしていると、企業業績などの「ファンダメンタル」と「株価のトレンド」との間に矛盾が生じることがあります。例えば、業績予想は絶好調、四半期決算も問題なし、でも株価は下降トレンドが続いている、という場合です。

こんなとき、筆者は株価の方を信じて行動するようにしています。それはもちろん、筆者が行うファンダメンタル分析の精度がプロより大きく劣っているからです(念のため申し上げますが、筆者はプロではなく「個人投資家」です)。

この方法によってリブセンス株を売買するのであれば、1月下旬に25日移動平均線を明確に下回った時点(2,200円~2,300円前後)で、保有株をいったん売却する、という判断ができたのです。

これは、ファンダメンタルを重視する個人投資家のうち優秀な人々がおそらくリブセンス株に見切りをつけるであろう2月14日の決算発表後の始値(2月17日始値の1,790円)をはるかに上回る水準です。

もちろん、時にはファンダメンタルが正しく、株価が間違った動きであった、という場合もあります。しかし、個人投資家レベルで、ファンダメンタルと株価のどちらが正しいのかを判断することは容易ではありません。

筆者が最も重視するのは「いかに大きな損失を避けるか」ですから、業績予想が良く、四半期ごとの業績も問題ないのにもかかわらず株価が下落して下降トレンドに転じたなら、株価を尊重して一度手じまいするべきだと思います。いつも申し上げていることですが、その後上昇トレンドに戻ったら買い直せば済む話なのです。

「ファンダメンタル分析」+「株価のトレンド分析」は誰でも手軽にできる効果的な手法

以上を箇条書きにまとめると、以下のとおりです。

・個人投資家はプロと比べるとファンダメンタル分析の精度が劣る

・精度の低いファンダメンタル分析で投資判断をするとプロより判断のタイミングが遅くなったり、誤った判断を下してしまう

・その結果、売却時の利益が大きく減ってしまったり、大きな損失が生じてしまう恐れがある

・よほどファンダメンタル分析を正確にこなせる人でない限り、個人投資家はファンダメンタル分析に、株価チャートによるトレンド分析を併用すべきである

・もともとファンダメンタル分析の精度が低いのだから、ファンダメンタルと株価に矛盾が生じた場合は株価の方を優先する

専門家の中には株価チャートの分析に否定的な見解をもつ方も多いですが、彼らは個人投資家に対して非常に高水準の知識や手法を求めすぎています。個人投資家の多くは、昼間は仕事をしているサラリーマンなのですから、プロと違って株式投資にそんなに時間と労力をかけることができないのです。

筆者は、そんな個人投資家の味方として、サラリーマンの方でも可能なレベルの投資手法、テクニックをこれからもお伝えしていきます。今までファンダメンタルを重視してきたもののどうも投資成果が上がらない、という個人投資家の方は、ぜひ当コラムや拙著を参考にして、自分自身に合った投資スタイルを確立していってください。

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