「含み損を抱えていても、ゴールで利益を得ている」という保証はない
確かに塩漬け株を持ち続けた結果、その後買値を上回って大きく上昇することももちろんあるでしょう。でも、大失敗を避けたいのなら、そうならない可能性を重視した行動、つまり損切りを実行する必要があるのです。損切りした後、株価が上昇基調に転じたら、その時に買いなおせばよいだけの話です。
塩漬け株を発生させている個人投資家の中には、自分自身が「塩漬け株を抱えてしまっている」こと自体気がつかない、もしくは認めたくない、という人たちも少なくないのではないでしょうか。
特に、「バイ・アンド・ホールド」の長期投資戦略を取っている個人投資家であれば、保有途中で持ち株の株価が値下がりすることは、「塩漬け」でも何でもなく、単なる途中経過に過ぎない、と思うかもしれません。
しかし、その思考こそ、変えていかなければならないのです。途中経過では含み損を抱えていても、ゴールでは利益を得ているという保証は全くありません。塩漬け株の発生は「失敗」であると認めることが必要です。バイ・アンド・ホールド戦略における通過点に過ぎないという考えは捨て去らなければなりません。
いまだに、「株式投資で損切りは不要」と主張する専門家が数多くいますが、そんな主張は論外です。株式投資を巡る環境はバブル崩壊を境に一変したのです。今は、損切りをしなければ株式投資で生き残れない時代になったことに一刻も早く気付いてください。
3-2.のパターンは、損切りの重要性は頭で分かっていても、心理的にどうしても損切りができない人にみられる投資行動です。しかし、損切りは株式投資で大失敗せずに生き残るためには絶対に必要ですから、ぜひ実行できるようにしてください。
長期的上昇相場でない限り、損切りが必要な局面は何度も訪れるはずです。そんな時、損切りを躊躇なく実行できる個人投資家こそが成功する投資家です。
「損切りができない」投資家は途方もない含み損を抱えてしまう危険と常に隣り合わせであることをぜひとも理解するようにしてください。