6月13日
乗用車苦戦で5月の新車販売は0.1%減、1-5月では4%弱の伸び
中国国内の新車販売台数は5月に前年同月比0.1%減(前月比0.6%増)の210万台と、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。大型貨物車の好調を受け、商用車が前年同月比15.2%増の34万4725台と好調。一方、乗用車販売は5月に同2.6%の落ち込みとなったが、4月の同3.7%減から下げ幅が縮小し、前月比では1.7%の小幅増を確保した。3月以降の値下げキャンペーンや5月の営業日数が前月より1日多かったことなどが前月比での伸びに寄与したもよう。1-5月の新車販売はこれで、前年同期比3.7%増の1120万台となり、商用車が同17.5%増の180万台、乗用車が同1.5%増の940万台だった。
車両タイプ別では引き続きSUVが好調で、5月に前年同月比13.5%増、1-5月では前年同期比17.1%増。その他タイプでは、セダン車が1-5月に同3.0%減。MPVは同17.8%減と苦戦したが、これは小型車減税(1600cc以下が対象)の期限切れを見越した2016年10-12月期の駆け込み購入の反動で、ローエンド車需要が低迷したため。
当初16年末期限の小型車減税は結局1年延長されたが、17年には減税幅が縮小したために効果が弱まり、1-5月の小型車販売台数は前年同期比2.3%減。乗用車販売に占める小型車の割合は16年の70.9%から68.8%に後退した。ただ、BOCIは小型車の今後の復調を見込み、特に17年10-12月の伸びを予想。理由として◇16年後半の駆け込み購入による影響の薄れ◇燃料政策を背景としたメーカー各社の小型車部門の強化◇小型車減税の終了(17年末)を控えた再度の駆け込み需要の発生――を挙げている。
ブランド別では韓国系、フランス系が1-5月に前年同期比43.4%減、37.2%減と苦戦したが、対照的に日系ブランドは同16.6%増と好調。ほかに米国系が同4.5%増、ドイツ系が同4.4%増、国内ブランドが同4.1%増だった。
一方、純電気自動車(NEV)販売は5月に同28.4%増の4万5300台。BOCIは2大市場である北京、上海の新政策を受け、NEV販売が下期も回復傾向を持続するとみている。1-5月では、NEV販売は前年同期比7.8%増の13万5702台で、うち乗用車が39.7%増の12万667台。商用車が61.9%減の1万5035台だった。
中国汽車流通協会によると、「ディーラー在庫予警指数」は5月に51.8%と、4月の59.2%から低下したが、BOCIは在庫が引き続き高水準にあると指摘し、値下げ競争が継続する可能性が高いと指摘。17年については、乗用車の予想販売伸び率を前年比6.1%増から同3.5%増に下方修正(SUV18%増、MPV10%減、セダン3%減)。半面、商用車に関しては10.1%増に上方修正。新車全体では同5.9%増から同4.3%増に下方修正した。
BOCIは香港上場の自動車銘柄の現在株価(17年予想PER11.1倍)がほぼ適正とみて、セクター全体に対する中立見通しを継続。個別では低バリュエーションの東風汽車集団(00489)や、高級車銘柄のブリリアンス・チャイナ(01114)に強気見通しを示した。