2社とも株価割安のバリュー株

 過去3年、三菱UFJと三井住友FGは株価が大きく上昇しました。

2社の株価上昇率:2021年、2022年、2023年、2024年(11月18日まで)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 

 それでもなお、株価指標で見て割安なバリュー株であることに変わりありません。株価が割安な好業績株として「買い」判断を継続します。

 11月18日時点で、以下の通り、PER・PBRが低く、予想配当利回りが高い、バリュー株です。

2社の株価バリュエーション:2024年11月18日時点

出所:両社決算資料より楽天証券経済研究所が作成。配当利回りは2025年3月期会社予想ベースDPS(1株当たり配当金)を11月18日株価で割って算出。DPSは、三菱UFJ60円、三井住友FG120円。三井住友FGのDPSは10月1日の1対3株式分割を考慮して調整

2020年まで金利低下を嫌気して過度に売り込まれていた

 三菱UFJ、三井住友FGの株価は2021年以降大きく上昇しましたが、それでも株価指標で見て割安です。2020年まで、金利低下を嫌気して株価が長期にわたり低迷していたからです。日本および世界の金利低下を嫌気して売り込まれていました。それが、2021年以降、世界的な金利上昇を好感して、株価が急上昇しています。

日経平均および三菱UFJ、三井住友FG株価の動き比較:2007年1月~2024年11月(18日まで)

出所:2007年1月末の値を100として指数化、QUICKより作成

 三菱UFJ・三井住友FG株とも金利低下が続いた2020年まで、日経平均株価を大幅に下回るパフォーマンスとなっていました。株式市場で「金利低下→銀行(金融業)の収益悪化」というイメージが定着しているので、金利が低下する都度、世界中で銀行株が売り込まれ、その流れで両社とも売り込まれました。

日米の長期金利(10年国債利回り)推移:2007年1月~2024年11月(18日)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 2021年以降、世界的に金利が上昇し始めると、銀行株が一斉に買われて上昇しました。日本のメガ銀行株も上昇しました。