今日の為替ウォーキング
今日の一言
知識に投資することは、常に最大の利益をもたらす - ベンジャミン・フランクリン
When Will I See You Again
ECB(欧州中央銀行)は、10月17日の理事会で追加利下げを決定して、主要政策金利は3.65%から3.40%に、デポ金利は3.50%から3.25%にそれぞれ引き下げた。ECBは声明文で欧州のインフレ率の低下が順調に進んでいると、 「2025年には目標の2%を達成する」ことへの自信を示した。9月会合時までは「2026年まで」としていた。
インフレ率がこれまでの想定よりも早く2%目標に落ち着くとの見通しから、12月にも追加利下げを行う可能性が高くなっている。さらに2025年は、四半期毎に0.25%ずつ金利を引き下げるとマーケットは予想している。
ところが、ラガルドECB総裁はサービス業の賃金上昇圧力を懸念事項としていて、これがやわらぐことを確認するまでは利下げは経済データに基づき「会合毎に」判断するとして、明確なガイダンスを出すことを拒否している。
欧州では景気後退のリスクが高まっているが、ECBは経済成長よりも、インフレ抑制を重視した政策に強いこだわりをもっている。現在の小出しの金利引き下げ戦略が、結果として将来の激しい利下げを引き起こすリスクは高まっている。
FRB(米連邦準備制度理事会)が、インフレ率が目標値まで下がっていないにもかかわらず、9月に0.5%の「大幅」利下げを決断した背景には、景気後退を未然に回避して将来の大幅利下げを回避するためだったといわれている。
ECBの利下げ幅はFRBより小幅だった。教科書的にはユーロがドルに対して上昇するはずなのだが、結果はその逆でユーロが下落した。経済成長に寄り添うFRBと、経済成長とますます無縁になっていくECBの政策の違いが一段のユーロ安を誘発するとマーケットは予想している。