石破首相はマーケット・フレンドリーに

 石破氏は、首相に就任するとともに、株式市場を急落させた自らの発言を修正しました。

【1】資産運用立国の方針継承

 10月1日、首相就任後に資産運用立国を目指した岸田政権の政策を引き継ぐと話し、金融所得課税強化に対する不安を低下させました。

【2】「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言

 10月2日、首相官邸で植田和男日本銀行総裁と面会し、その後の記者会見で、利上げを抑制する姿勢を表明しました。「利上げを容認する」との思惑で、円高が進んだことを意識しての発言と考えられます。これを受けて、円安・株高が進みました。

 さらに先週、9月の米雇用統計が想定よりも強かったことが分かると、ドル/円は10月4日には1ドル148円台の後半まで円安が進みました。

ドル/円為替レートの5分ごとの動き:9月24日午前7時~9月28日午前5時5分

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成、日本時間午前0時~5時は欧米市場での値動きを示している。日本の午前0時~5時は欧米では前日なので、上のチャートでは前日に含めている

日本株の投資判断

 日本株は良い買い場との判断を継続します。石破政権が、これまでの自民党政権の政策を継承しながら政権運営を目指す方針と分かり、株式市場の不安はひとまず収まりました。 

 また、米国のインフレが低下する中で、米景気は堅調を保っており、米景気ソフトランディングの可能性が高まりました。それを受けて、日本の景気も株価も緩やかな上昇基調が続くと考えられます。

 ただ、日本株はこれからも急落・急騰を繰り返すと思われることから、リスク管理は大切です。割安な日本株を、時間分散しながら買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。

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