併用できるのが金(ゴールド)投資の魅力
「興奮」も「危機管理」も、人間の行動の動機です。どちらが良いも悪いも、ありません。両方備えているのが人間なのです。このため、危機管理を動機とした長期資産形成を続けつつ、時折、興奮を動機とした短期売買を行う戦略もあり得ます。
多方面で述べられているとおり、また筆者も本欄で述べてきたとおり、金(ゴールド)投資では、短期売買も長期資産形成も可能です。幅広い時間軸の投資手法が存在するのです。危機管理をきっかけに金(ゴールド)で長期資産形成をしながら、興奮をきっかけに金(ゴールド)の短期売買をすることも、可能なのです。
図:行動の動機と時間軸および金(ゴールド)投資の対象
幅広い時間軸の投資手法が存在することは、金(ゴールド)が持つ大きな魅力です。ただし、留意点があります。「動機(時間軸)」と「投資戦略」の組み合わせが、「興奮(短中期)」と「長期資産形成」や、「危機管理(中長期・超長期)」と「短期売買」とは、ならないということです。
金(ゴールド)に投資するきっかけとなった興奮が今後、数年・数十年続くことを想定するのでしょうか。じっくり・内省から生じた危機管理の意識が目先数秒で消滅することを想定するのでしょうか。いや、しないでしょう。
金(ゴールド)のように幅広い時間軸の投資手法をそろえる銘柄(商材ともいえる)は、「動機(時間軸)」と「投資戦略(対象)」の組み合わせをそろえることがかかせません。
上の図のとおり、興奮を動機とした短期売買になじむのは商品CFDや商品先物といったレバレッジがかかった投資手法、短期売買を前提とした金(ゴールド)関連のETF(上場投資信託)や個別株です。
そして、危機管理を動機とした長期資産形成になじむのは純金積立や金(ゴールド)関連の投資信託といった積み立てをする仕組みがある投資手法、長期資産形成を前提とした金(ゴールド)関連のETFや個別株です。