名目・実質賃金が大幅に上振れ
4-6月期のGDP統計では、雇用者報酬も強い結果となりました。雇用者報酬とは賃金指標の一つで、正社員や短時間労働者などに支払われた給料や賞与に加え、雇い主負担分の社会保険料などを含めた労働者側へ分配金です。
その雇用者報酬が4-6月期は前年比3.8%となり、物価変動の影響を除いた実質雇用者報酬も前年比0.8%と、2021年7-9月期以来11四半期ぶりのプラスとなりました。
厚生労働省が発表している毎月勤労統計調査でも、6月の賃金指数(現金給与総額)は前年比4.5%と高い伸びとなり、実質賃金指数(同)も前年比1.1%と、2年3カ月ぶりにプラスとなりました。
図表2は、左が景気ウオッチャー調査の「家計動向関連」現状判断DIと名目賃金指数の前年比、右側が家計動向調査の「消費者態度指数」と実質賃金指数の前年比です。
景気ウオッチャー調査は小売店など事業者側に聞いた指標で、売り上げに直結する名目賃金との相関が高い一方、消費者態度指数は家計に聞いた指標で、インフレを加味した実質賃金との相関が高いことが図から分かります。
図表2 マインド指標と賃金
足元名目でも実質でも賃金指数が上振れており(図中、青い点線の囲み)、7月以降もある程度高い伸びで推移することが見込まれることから、今後8月月初のような市場の急変動がなければ、いずれのマインド指標も改善していくことが予想されます。