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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「ドル/円、上がるの、下がるの、どっちなんだい? ブルベアの分かれ目を探す」 」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは148.20円
↓下値メドは145.55円
米中関係悪化:中国の外貨準備に占める米債保有率、2011年の45%から2024年は24%まで縮小 インフレ期待:消費者のインフレ期待は現実のインフレとあまり関係がない
ロシア脅威:ノルウェー、防衛予算を今後12年間で83%増加する計画
米中関係:バイデン政権が、国内産業政策の強化を目的に対中関税を引き上げ
英利下げ::ベイリーBOE総裁「利下げサイクルでも量的引締めは継続できる」
前日の市況
8月8日(木曜)のドル/円相場は前日比0.50円の「円安」。
2024年159営業日目は146.69円からスタート。日経平均株価の下げと共に円高に動き、146.00円を下抜けると東京時間昼前には145.42円まで下落してこの日の安値をつけた。
前日の安値圏である144円台を再び目指すと思われたが、この日発表された米国の雇用関連のデータが予想以上に強く、米10年債利回りが4.00%台まで高くなったことから買い戻しが優勢になった。東京時間夜遅くには146円台を通り越して147.53円まで円安に動いてこの日の高値をつけた。終値は147.27円。24時間のレンジ幅は2.11円。
NY時間に発表があった新規失業保険申請件数は、前週比マイナス1.7万件の23.3万件で、ここ1年近くで最大の減少となった。今回のドル安のきっかけは、先週末に発表された米雇用統計が予想以上に弱く、米国の景気後退懸念が強まったことにある。この日のデータはそうした不安をいくぶんやわらげることになった。
失業率の上昇と景気後退の関係を示す「サーム・ルール」は、米国がリセッションに入ったことを示したが、考案者であるクラウディア・サーム氏は、今回は誤ったシグナルが出たことを認めている。失業率の上昇は、旺盛な労働力供給の増加によるもので、需要後退が原因ではないという。サーム・ルールは、労働力人口が急拡大しているときには不況シグナルを出しやすい傾向があるが、需要がキャッチアップすれば、労働者が増えて経済がより成長することで、失業率は低下するという。
個人投資家 最新売買動向:
以下のドーナツグラフは、楽天FX口座における個人投資家の最新の売買比率(売りと買いの数量の割合)で、外側のドーナツは「建玉(保有ポジション)」、内側のドーナツは「注文(オーダー)」の比率を示している。
ドル/円「ロング53%、売り買いオーダーは拮抗
メキシコペソ円「ロング75%、売りオーダー多い」
ランド円「ロング70%、売りオーダー多い」
週末から来週前半の「円安・円高のメド」~ 146円台がカギ
円安のメドは、147.90円、149.78円、150.89円、153.90円、155.22円
円高のメドは、145.42円、144.25円、143.61円、141.68円、140.24円
ドル/円:短期
短期:円安
8月1日から8月8日までのドル/円のレンジは、141.68円から150.89円。
レンジ幅は9.21円。
高値と安値の50%(中間点)は、146.29円。
現在の水準は、中間点よりも「円安」。
安値と中間点の50%は143.98円。
高値と中間点の50%は148.59円。
ドル/円:中期
中期:円高
7月1日から8月8日までのドル/円のレンジは、141.68円から161.95円。
レンジ幅は20.27円。
高値と安値の50%(中間点)は、151.82円。
現在の水準は、中間点よりも「円高」。
安値と中間点の50%は146.75円。