ボツワナの新規鉱山買収と金属価格の堅調で2024年以降に急成長見通し

現地コード 銘柄名
01208

五鉱資源

(エムエムジー)

株価 情報種類

2.52HKD
(7/26現在)

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 中国政府系の非鉄鉱山会社、五鉱資源の主要鉱山であるラスバンバス(ペルー)では、2024年上期の銅生産量が前年同期比10%縮小した。ただ、同社によれば、通期の生産量は自社予想レンジの上限に達する見込み。BOCIは拡張プロジェクトや新たな鉱山の貢献で、同社全体の銅生産量が2026年に、2023年比で50%増加するとみている。ボツワナのコエマカウ銅鉱山の買収とライツイシュー(新株予約権無償割当)に関する想定値の修正に伴い、目標株価を小幅に引き下げながらも、今後の大幅な利益成長見通しに言及。同社株価に対する強気見通しを継続した。

 ラスバンバス鉱山での上期の銅生産量の縮小は主に、4-6月期の鉱石品位(含有率)が0.58%に低下したため(前年同期0.69%)。一方、同鉱山のチャルコバンバ(Chalcobamba)坑で、銅鉱石の生産がスタートしたことは朗報。また、複数の合意や対話の継続による地元住民との関係改善も、生産活動にとってはプラスとなる。同社によれば、ラスバンバスでの2024年通期の銅生産量はガイダンスの上限(32万トン)に達する見込み。上期の実績を差し引けば、約6割に当たる19万4,000トンを下期に生産する計算となる。

 BOCIは同社全体の銅生産量が2026年に5万2,100トンに達し、2023年比で50%増加するとみているが、これはラスバンバスとキンセビア銅鉱山(コンゴ民主共和国)における拡張プロジェクトの年内完了と、新たに取得したコエマカウ鉱山の貢献が理由。同社の成長率は、世界の銅生産者の中でトップクラスになるという。

 LME(ロンドン金属取引所)の銅スポット価格は5月をピークに、その後2カ月で16%下落した。ただ、銅はグリーンエネルギーへのシフトに必要な金属であり、BOCIは一段の下落余地は限定的とみている。

 銅生産量の力強い伸びと金属価格の堅調見通しから、BOCIは同社の業績を楽観。2024年に前年比約19倍の大幅増益を記録し、その後2年間の利益成長率も年率平均78%に達するとみている。今回初めてコエマカウ鉱山の貢献を収益モデルに組み入れたほか、ブルームバーグのコンセンサス予想に基づき、金属価格に関する想定値を上方修正。2024-26年の利益見通しを各140%、16%、24%増額修正した。

 収益モデルのアップデートに伴い、BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく同社のバリュエーションを41億5,200万米ドルから56億5,400万米ドルに引き上げたが、半面、6月前半のライツイシュー(既存株式5株につき2株)によるEPS(1株当たり利益)の希薄化を受け、1株当たりバリュエーションを3.75HKドルから3.64HKドルに下方修正。目標株価を小幅に引き上げた。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 レーティング面の潜在リスク要因としては、金属価格の急落の可能性と、鉱山の操業や物流に何らかの混乱が生じる可能性を挙げている。