2000(平成12)年8月1日
新500円通貨発行、自動販売機荒らしに対抗
2000(平成12)年8月1日、500円硬貨の材質が一新され、見た目も一部変わりました。自動販売機荒らしを元から断つためです。
500円硬貨は1982年に登場しました。銅とニッケルの比率が3対1の白銅製です。ところが、500円硬貨と韓国の500ウォン硬貨が同じ材質で、大きさもほぼ同じであることに犯罪者が気づきます。自販機の硬貨識別センサーをだませるのです。当時の為替レートで500ウォン硬貨は50円ほどの価値だったので、犯罪者には50円が500円に化けるようなものです。
厳密には500ウォン硬貨の方が0.5グラムほど重いのですが、機械で削って軽くすれば500円硬貨と材質も重さも同じ金属片のでき上がりです。これを自販機に投入して商品と釣り銭を盗む犯罪が後を絶たず、政府が思い切って硬貨自体を変更したところ、この種の犯罪は急減しました。
現行の500円硬貨は銅とニッケルを減らす一方、亜鉛を加えて旧硬貨と電気抵抗値を変えました。側面にギザギザの細線を刻むなどして模倣を難しくしています。