1986(昭和61)年10月27日
英国ビッグバン(金融証券改革)
1986(昭和61)年10月27日、英国で金融証券分野の大規模な規制緩和が実施されました。英国にとどまらず、世界の金融業界に大きな影響を与えたことから、天文学で宇宙誕生時の大爆発を表す「ビッグバン」になぞらえられました。
当時の英国は「鉄の女」の異名を取ったサッチャー首相の下、経済の停滞から脱するべく規制緩和を急いでいました。金融の分野では、米国や欧州大陸勢、さらには日本の台頭もあって、英国の相対的な地位は下がるばかりだったのです。
そこで英政府や英金融業界はロンドン証券取引所を世界の中心市場に押し上げようと、売買手数料の自由化、銀行による証券分野参入の容認、株式取引税率の半減などの規制緩和をまとめて実施。海外から投資マネーを集めることに成功しました。
ただ、自由な競争の結果、ロンドンの金融街シティでは、米国やドイツなど他国の巨大金融機関が存在感を強めました。地元勢の影が薄いという意味からテニスの国際大会にたとえて「ウィンブルドン現象」と呼ばれました。