「価格低迷が積立を有利にする」ことを理解

 中規模会場での講演の後半は、コモディティ関連の具体的な投資手法を述べました。集まった皆さんに「積立投資を前提として、次の三つのうち、最終的な利益が最も大きくなったのは、どのパターンでしょうか?」と質問をしました。

図:積立シミュレーション(3パターンの価格推移) 単位:円/グラム

出所:国内大手地金商のデータを基に筆者作成

 挙手をしていただいたところ、暴騰パターン、暴落パターン、低迷パターン、いずれも3分の1前後の方の挙手が見られました。暴落パターンと低迷パターンに手を挙げた方は、積立投資の勘所を知っておられると感じました。特に低迷パターンに手を挙げた方の多さに、良い意味で筆者は驚きました。正解は以下の通り、低迷パターンでした。

図:積立シミュレーション(3パターンの累積資産額) 単位:百万円

出所:筆者作成

図:積立シミュレーション(3パターンの累積保有数量) 単位:グラム

 積立投資は、毎月の投資金額が変わらなかった場合、価格が下がれば下がるほど、保有数量が増えやすくなりますが、もともと低迷していたほうが、保有数量を増やす上ではなお有利になります。これらの点を基に考えれば、今まさに急上昇している銘柄は、長期を前提とした積立投資に適さないと言えます。