1996(平成8)年7月5日

英国で世界初のクローン羊誕生、バイオ新時代の幕開け

 1996(平成8)年7月5日、英スコットランドの研究所で一頭の子羊が生まれました。名前は「ドリー」。6歳メスの羊の体細胞を完全にコピーする「クローン」と呼ばれる技術の応用に世界で初めて成功したものです。

 ドリーの誕生は生命工学(バイオテクノロジー)時代の幕開けを予感させました。臓器のコピーが可能になれば、がんなど治療の難しい病気の克服に道が開かれるためです。

 一方、ドリーの誕生で「人間はどこまで遺伝子を操っていいのか」という問題が現実に議論されなければならないものとなったのです。

 ドリーの後はウシやネコ、ブタなどいろいろな動物のクローンが相次いで誕生。今年1月には中国科学院がヒトと似た遺伝子を持つサルのクローン作製に成功したと発表し、クローン人間の作製につながるとして物議を醸しています。

「再生医療」「創薬」「遺伝子治療」。どれも株式市場でも大きなテーマです。科学の進歩は学者の頭脳次第かもしれませんが、倫理や道徳はすべての人が考える問題です。

 

1996年7月5日の日経平均株価終値は

22,232円42銭