FF金利据え置き、量的引き締め継続

 米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は12日(日本時間13日午前3時)、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を発表しました。FF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を5.25-5.50%(中心5.375%)に据え置きました。2023年7月26日のFOMCでFF金利を0.25%引き上げて以降、7会合連続で、FF金利を据え置いています。

 また、量的引き締め(FRBが保有する米国債の保有削減)は継続すると発表されました。

米10年金利とFF金利の日次推移:2021年末~2024年6月12日

出所:QUICK・ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

 FF金利据え置きは事前示唆どおりで全くサプライズ(驚き)はありません。注目されたのは、「いつ利下げが始まるか、年内何回利下げがあるか」について、どのような示唆があるかでした。

年内1回、来年4回の利下げ示唆

 今回発表されたFOMCメンバーによるFF金利予測(中央値)は、以下の通りでした。年内0.25%の利下げが1回、2025年に4回と示唆されました。

FOMCメンバーによるFF金利の予測(中央値)

出所:FRBより楽天証券経済研究所が作成

 株式市場では、年内2回の利下げ示唆を期待していました。年内1回のみの利下げ示唆では、ネガティブと捉えられる可能性もありました。

 FRBは利下げに慎重との見方が広がったため、ダウ工業株30種平均は前日比35ドル安の3万8,712ドルと小幅に下落しました。

 ただし、米長期金利はやや低下、ナスダック総合指数は前日比1.5%高、S&P500種指数は同0.9%高となり、連日で史上最高値を更新しています。金融市場の反応は悪くありません。