今日の為替ウォーキング

今日の一言

終わってしまったからといって嘆くのでなく、それを経験できたことを喜ぼう

Don't Dream It's Over

 米国で今回のインフレ上昇が確認されたのは2021年だが、当時のパウエルFRB議長は「インフレは一過性の現象にすぎない」と米議会で証言して、利上げを否定した。その結果、何が起きたか。米国のインフレは一時9%近くまで跳ね上がり、FRBがいくら利上げしても、まだ完全に沈静化できずにいる。

 FRBをはじめ世界の主要中央銀行が、インフレそのもの以上に警戒していることがある。それはインフレの「2次的効果(セカンド・ラウンド・エフェクト)」の発生だ。インフレの2次的効果とは、物価の上昇が人々の持つインフレ率の期待値を高めたり、賃金上昇を通じたりすることで、より広範なインフレを引き起こすことである。

 2次的効果による物価上昇圧力が中央銀行の利上げ効果を打ち消すことで、需要後退のなかでのインフレ進行という「スタグフレーション」が起きる可能性がある。

 ところが、日銀は世界の中央銀行とは真逆に、日本人の頭からデフレマインドを完全に洗い流すために、インフレの2次効果を爆発的に発生させようと試みているのだ。そう考えると、なぜ日銀が円安に無頓着で緩和政策の継続にこだわるのか理解できる。

出所:楽天証券作成

今週の注目経済指標

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