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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「日経平均が急騰する中、下落。平均利回り4.4%!Jリートを見直す」
日経平均もS&P500も想定以上の上昇
日米ともに、年明けから株価が好調です。3月22日時点で日経平均株価は4万888円をつけ、年初来22.2%上昇、史上最高値を更新中です。米国S&P500種指数は年初来9.7%上昇して、こちらも最高値を更新中です。
想定以上の上昇となった背景として、米景気好調があります。2022年以降、深刻なインフレを抑えるために、FRB(米連邦準備制度理事会)はかつてないピッチで利上げを進めました。急激な利上げによって2022年末から長短金利が逆転し、経験則では、その影響でそろそろ米景気が悪化してくるところです。
米長短金利(10年金利とFF金利)およびNYダウの動き:2004年1月~2024年3月(22日)
ところが、金融引き締めによって高金利が続いているにもかかわらず、米景気はしぶとく好調です。米国株も、高金利をものともせず、最高値を更新しています。
米金利が高く、日米金利差が開いたままなので、円安(ドル高)が進み、それが日経平均の上昇にもつながっています。円安・米景気好調・リオープン(コロナ禍からの経済再開)の恩恵で、日本の企業業績は好調で、外国人の買いによって日経平均は最高値更新が続いています。
投資環境が良好で、すぐには株高トレンドが崩れる要因は見つからないようにも思えます。ただし、このように強気がまん延している時には注意も必要です。ショック安は、誰も予想しないタイミングで来ることが多いからです。さらなる上昇に期待しつつも、シートベルトを締め直してよいタイミングともいえます。
米国株から米国債へリバランスも
こういう時、少しだけ株を売却して債券を増やすリバランスをやってもいいと思います。例えば、米国株を少しだけ売却して米国の長期国債を少し増やす入れ替えを検討していいと思います。米国の長期金利はかなり上昇したので、分散投資していく価値が高いと思います。
日本でも株がかなり上昇したので、少しだけ株から債券へシフトしたいタイミングです。ところが、ここで問題があります。日本の長期金利は、これまで続けられてきた日本銀行のYCC(イールドカーブコントロール)政策によって低く抑えられてきたため、今は利回りが低過ぎて、投資価値はあまり高くありません。