テクニカル面で見たBTC相場見通し
BTC/USD
このように、ETFからの資金流入がBTC相場を新しい段階に押し上げた印象だ。こうしたフローはまだまだこれからが本番と思われるが、短期的にこのままのペースで上がるとは限らない。
テクニカル的には史上最高値の6万9,000ドルに差し掛かっている。ここまですごい勢いで上がってきたが、それは2021年12月にもみ合ったレンジの上限で最後のレジスタンスである5万3,000ドルを抜けた結果、ポジション的に真空地帯を相場が走った格好だ。
それ故、供給量を大幅に上回る買い圧力に対応できなかった。この史上最高値は最後のレジスタンスで相応に利食い売りが出るポイントでもあり、いったん跳ね返されている。
BTC/USD RSI(日足)
BTC/USD RSI(週足)
BTC/USD RSI(月足)
実はRSI(相対力指数)は、日足で見ても、週足で見ても、月足で見ても、買われ過ぎの水準にある…と記載して脱稿しようとしたら、3月5日にやや大きめの調整が到来した。
この結果、日足の買われ過ぎは解消した。また月足は買われ過ぎといってもしばらく70台に乗せたばかり。一方、週足のRSIは、80台後半と買われ過ぎがまだ解消していない。この示すところは、数カ月単位で続くわけではないが、数週間程度の調整が来ても不思議でないということか。
BTC月別騰落一覧
「2月は年間で一番強い」というアノマリー通り、大陽線となった。また、先月申し上げたように「中国の春節期間中は上がる」というアノマリーは今年も有効だった。一方で、3月は最近でこそ8月・9月に並ばれたが、従来より1年で最も弱い月で、アノマリー的にはあまり強気にはなれない。
見通し
先月は「アノマリー的にも2月は陽線となりそう」だが「逆に3月は1年で一番弱い月」で「半減期への期待先行で上昇、4万9,000ドル全値戻しをトライするも抜けきれず、3月の利下げ見送りで失速する」と申し上げた。
全値戻しの4万9,000ドルと史上最高値の6万9,000ドルを入れ替えればぴったりとなるのだが、上振れの理由は想定外のETFフロー。先月も「ETFはGBTCの売りがもう少し残っていそうだが、徐々に買いが上回る展開」を予想していたが思った以上に買いが強い展開だ。
引き続きETFのフロー次第で、このフローはまだこれからが本番と考える。ただしブラックロックのIBITが史上最速で100億ドルファンドとなったように、見方を変えれば少し行き過ぎの印象をぬぐえない。この6万9,000ドルがピークなのか、もう少し上がるのかはフロー次第で何とも言えないが、最終的には調整が入り、上に行って来いの展開を予想する。