今日の為替ウォーキング

今日の一言

他人が君にかける期待や悪口をいちいち受け止めたりしていたら、何の結果も生み出せないだろう- マイケル・ジョーダン

Stranger

 FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げをためらっているのはなぜか。それは、 インフレ率を目標値まで引き下げる唯一の方法が、失業率を上昇させることだとFRBが信じているからだ。失業率を上昇させるには、引締め政策を続けて経済にブレーキをかける必要がある。だから利下げをしないのだ。

 FRBのこの考えは、フィリップス曲線に従っている。フィリップス曲線とは、 横軸を失業率、縦軸を物価上昇率にとって関係をグラフに描いた時、「失業率が上がるほど、物価は下がる」という曲線を描くというものだ。

 しかし2023年の経済は、成長は力強く失業率は低かったが、インフレ率も低下して、右肩下がりのフィリップス曲線では説明がつかない経済事象が起きた。高インフレはコロナ禍によるサプライチェーンの混乱が生み出したもので、それが収まるにつれてインフレも(失業率とは関係なく)低下しているのだ。

 FRBには、物価の安定と雇用の最大化というデュアルマンデートが(二重の使命)課されているのに、失業率が上昇するまで金利を高く維持するのは、完全雇用の使命と矛盾するのではないかという批判もある。

 多くのエコノミストは「米国の急速なインフレ鈍化は、FRBの政策とはほとんど関係がない」と指摘している。初期の利上げは必要だったが、後期の利上げはインフレにほとんど影響がなかったのだから、FRBは経済を邪魔しないように一刻も早く利下げするべきだと、彼らは意見する。

 ウルトラ緩和政策を続ける日銀には逆のことがいえる。日銀の政策が日本経済の活性化にほとんど関係がないことは、日本がリセッションになったことでも明らかだ。日本のインフレが上昇したのは、日銀の政策ではなく、ウクライナ戦争を引き起こしたロシアのプーチン大統領のせいだ。日銀は、日本経済が海外で起きた高インフレ状態になる前にただちに利上げするべきなのだ。

出所:楽天証券作成
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今週の注目経済指標

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