「消費者=個人投資家」を大切にする食品メーカーなら優待廃止リスクは少ない!?

 3月優待株の中には株主優待制度を導入している食品・飲料メーカーがまだまだたくさんあります。彼らにとって、個人投資家はある意味、日頃から自社製品を購入してくれる貴重な「お客さま」。

 株主優待制度を導入して、自社に対するファンを増やしたいというモチベーションも高いため、株式分割して少額資金でも株を買いやすくしたり、分割にともなって100株保有の優待内容を拡充したり、魅力的な株主優待制度の維持に積極的です。

 そこで、ここまで紹介した5社と違って継続保有条件があるものの、長期保有で株価の値上がり益も狙いながら、半年~1年後の優待獲得が狙える優良食品会社を選びました。

 多くの銘柄は、原材料費を価格転嫁で解消できたことで業績も好調で株価も上り調子。増配など株主還元にも積極的な企業が多いので、長期保有向きといえるでしょう。
 

継続保有条件があるものの、人気が高く業績も安定した3月食品系優待株

銘柄名 購入金額
(100株)
配当利回り
(2024年3月期の予想値)
優待内容
味の素(2802) 58万
5,900円
1.26% うま味調味料国内最大手。電子材料や医薬品事業にも進出。値上げ浸透と海外販売好調で大幅な増収増益が続き株価も絶好調。3月末に100株を半年以上継続保有していると、1,500円相当のグループ商品詰め合わせセット贈呈。2023年3月末の優待内容 (実績)は「ほんだし」などが入った詰め合わせセットに同社キャラクター「マジパンダ」がプリントされた調味料用の瓶(赤)。WEB限定で料理評論家の料理ショーなど体験型優待なども抽選で応募可能だった
ニッスイ(1332) 9万
3,720円
※株主優待は500株から
2.56% 水産物の加工食品メーカー大手で、今期2024年3月期は食品の値上げ効果や原料のすり身相場下落で過去最高益更新予想。株価も急騰中。同社の優待には継続保有条件はないものの、優待権利獲得には500株(投資金額46万8,600円)以上の保有が必要。3月末に500株保有で、サバ缶など3,000円相当の自社商品が贈られる
ハウス食品グループ本社(2810) 31万
5,800円
1.46% カレーのルーで国内首位。海外進出を模索中。今期2024年3月期は値上げ効果で増収増益も株価は他の食品メーカーに比べて停滞気味。PBRは1.07倍と割安。3月・9月末に100株を6カ月以上継続保有した株主に、1,000円相当の自社商品詰め合わせを贈呈。2023年9月末の100株株主への優待実績 は、「バーモントカレー」など製品詰め合わせ(5点)か「ククレカレー」などのレトルト製品セット(6点)などからの選択制だった
日本ハム(2282) 53万
9,000円
※株主優待は500株から
2.08% 食肉国内首位でハム、ソーセージに強く、海外事業を育成中。今期2024年3月期は値上げ効果や輸入牛肉の販売好調で、大幅増収増益予想。同社の優待に継続保有条件はなく、3月末に100株で3,000円相当の「選べる優待品カタログ」 から同社のハムやレトルト食品などを1点選択。500株(投資金額約269万5,000円)で3月・9月末に5,000円相当のカタログ優待になり、3年以上継続保有すると7,500円相当、5年以上継続保有で1万円相当にグレードアップ
DM三井製糖HD(2109) 32万
5,500円
3.69% 砂糖の製造で国内最大手。値上げ効果で前期2023年3月期は純利益倍増の大幅増益。今期2024年3月期も業績高止まりで株価もきれいな上昇トレンドが続く。今期予想配当利回りが3.69%の高配当株で、PBRが0.9倍台と割安なため、さらなる株主還元策の導入に期待。同社の優待に継続保有条件はなく、3月末に100株で1,000円相当の自社グループ製品が贈呈。200株以上だと3,000円相当に増額されるので200株保有がお得
※最低購入金額は2024年2月22日(木)の終値で計算。