バイデノミクス:米経済を1ドル成長させるのに2.5ドルの負債を作っている

 米国のGDP(国内総生産)は第4四半期に3,340億ドル「増加」したが、その成長によって8,340億ドルの「負債」が発生した。言い換えれば、第3四半期に米国経済を3,345億ドル成長させるには8,342億ドルの負債が必要であった。バイデノミクスはGDPの「成長」の1ドルごとに正確に2.5ドルの「負債」を作っている。

GDPを1ドル成長させるのに2.5ドルの負債

出所:ゼロヘッジ

 この数字を受けてピーター・シフは、「政府によると、米国のGDPは第4四半期に3,340億ドル「成長」した。しかし、同じ四半期に国債は8,340億ドル以上、つまり2.5倍も増加した。これは、消費者が直接背負った負債の増加分さえカウントしていない。これは経済成長ではない。信用バブルなのだ」とXに投稿した。

 西側の経済は負債と資産を両方膨らませるという「両建て経済」となっているが、両建てどころか負債の方が多い。つまり、経済の成長が負債に追いついていないのである。これは持続不可能である。

 つまり、米国経済は全く成長していないということだ。債券王のジェフリー・ガンドラックが指摘しているように、「米国人がみているのは成長の幻想だ。借用証書を発行して、それを使った数字を成長とうたっているにすぎない」のである。よく考えるべきだろう。そもそも歳出は決して成長ではないのだ。

 今はまだその時期ではないが、米国の負債の始末は、いずれドル安誘導によって対処されるだろう。ドル安誘導(ドルの切り下げ)をすれば、米国の借金は他国のバランスシートに移すことができる。ドルの価値を半分にすれば、米国債で調達している他国からの借金も半分になる。