2024年のベースアップ(ベア)は2%超に

 図表1と2で示した賃上げ率には、社員の勤務年数などに応じて増える定期昇給分も含まれます。従って、まずは賃上げ率をベアと定昇分に分ける必要がありますが、それを行っているのが中央労働委員会です。中央労働委員会では、彼らが集計する賃金改定率(図表2の点線)を、ベースアップ分と定期昇給分に分けて公表しています(図表3)。

<図表3 賃上げ率のベースアップ分と定期昇給分>

(出所)厚生労働省、中央労働委員会、楽天証券経済研究所作成

 中央労働委員会が公表している直近値は2022年ですが、賃金改定率2.17%(ちなみに、厚労省の賃上げ率は2.20%)のうち、ベアが0.56%、定昇分が1.61%でした。

 もし、2023年の賃金改定率が厚労省の3.6%と同じになったとすると、定昇分が2022年と同じ1.6%と仮定して、ベアは2.0%になります。さらに、2024年の賃金改定率が、連合の第1回回答集計の見通し4%程度を前提とする3.9%程度になったとすると、ベアは2.3%と計算することができます。