史上最高値を34年ぶりに更新、半導体銘柄がけん引

 22日の東京株式市場で、日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新した。終値は、前日比836円(2%)高の3万9,098円と、1989年12月29日につけた3万8,915円を上回った。米半導体大手エヌビディアの決算発表を受け、半導体銘柄を中心に幅広い銘柄に買いが広がった。

 日経平均は一時3万9,156円をつけ、取引時間中ベースの史上最高値も更新した。歴史的な記録更新をけん引したのは、半導体関連やAI関連株だ。前日に米エヌビディアが市場予想を上回る好決算を発表したことを受け、東京エレクトロンアドバンテストソフトバンクグループディスコなどに買い注文が入り、幅広い銘柄が買われた。

割安な日本株に勢い

 今年に入ってから、日本株の勢いが止まらない。2月に発表が集中した2023年4-12月期決算では、堅調な米景気や円安の恩恵を受けた製造業に加え、小売りやサービス業でも稼ぐ力を回復した企業が目立った。過去最高益の発表や通期予想の上方修正が相次ぎ、連日日経平均を押し上げた。

 楽天証券経済研究所の窪田真之所長は「日本株は現水準でも割安。中期的にさらなる上値を追う」とみて、日経平均が2024年末に4万円へ到達すると予想している。

エミン氏「日本の投資家に期待」

 長く冬の時代が続いた日本株市場が、新たなステージに向かおうとしている。東証が打ち出した低PBR(株価純資産倍率)の是正要請や、株主還元策の拡充なども追い風だ。変わる日本企業への期待に、海外マネーが集まっている。

 さらに、2024年はNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の拡充もあり、新たな投資家も市場に参入しつつある。

 国際エコノミストのエミン・ユルマズ氏は「日本の投資家の眠っている巨大な資金はまだ日本株に向かっていない。史上最高値更新をきっかけに、日本の投資家も本格的な日本株投資を始めることに期待したい」としている。

4万円へ、懸念は円高

 一方で、不安要素もある。日経平均4万円を前に、窪田所長は「最も大きなリスク要因は円高」と指摘する。日本銀行のマイナス金利解除や米FRB(連邦準備制度理事会)の利下げによって日米の金利差が縮小し、円高基調になるとの見方がある。円高が進めば、日本企業の成長を足止めする可能性も高まる。

 市場関係者の間では「上昇が速く、相場が過熱している」と懸念する声もあり、今後の行方に注目が集まっている。

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日経平均は終値ベース