ナスダック100とSOX指数のパフォーマンス堅調を支える要因
ナスダック100は、ナスダック総合指数に上場している時価総額上位100銘柄(金融を除く)で構成される時価総額加重平均指数で、最近はマイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズなど「荒野の七人」(The Magnificent Seven)と呼ばれる大手テック7社の時価総額ウエートが約6割を占めています。
一方、「SOX指数」と呼ばれるフィラデルフィア半導体株指数は、米国を中心とする半導体・半導体製造装置株30銘柄で構成される時価総額加重平均指数で、エヌビディア、TSMC(台湾積体電路製造)、ブロードコム、ASLMホールディング、AMDなどが主力構成銘柄となっています。
1月末時点の各指数の騰落率をみると、S&P500(市場平均)の年間騰落率は+18.9%、年初来騰落率が+1.6%であるのに対し、ナスダックは年間騰落率が+41.6%で年初来騰落率が+1.9%と優勢です。また、SOX指数も年間騰落率が+45.8%で年初来騰落率が+2.1%と優勢です。
ナスダック100の堅調は生成AI(人工知能)を中心とするイノベーション(技術革新)進展に伴う主力銘柄群の収益成長期待が追い風です。SOX指数の堅調は「シリコンサイクル」と呼ばれる半導体業界の需給変動に起因する在庫調整が一巡したことと、AI向け半導体需要の拡大で2024年以降の収益好転を織り込む動きとなっています。
図表2は、ナスダック100ベースとSOX指数ベースの暦年EPS(1株当たり利益)について、2022年までの実績EPSと2023年から2025年までの市場予想EPSの水準推移を示しています。ナスダック100指数ベースのEPSは2024年に前年比22.5%増益、2025年も16.1%増益と好調が見込まれています。
SOX指数ベースのEPSは2023年に35.0%減益に陥りましたが、2024年には47.3%増益、2025年は31.5%増益と業績の大幅好転が見込まれており注目されています。