2023年の原油・ガス生産量が予想上振れ、2024年以降も上方修正

現地コード 銘柄名
00883

中国海洋石油

(CNOOC)

株価 情報種類

14.44HKD
(1/26現在)

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 中国最大のオフショア石油開発会社、CNOOCの2023年通年の石油・ガス総生産量は、経営陣が事前に示したガイダンスの上限を2.3%上回る水準に達した。同社はさらに、向こう2年の予想生産量を上方修正。向こう3年間の年率平均伸び率を少なくとも6.3%とする目標を示した。BOCIは今後、設備投資が落ち着く中で、同社が増配に動く可能性を指摘。2023年の予想純利益を3%減額する半面、2024年、2025年に関しては1%、8%増額修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

 2023年の石油・ガス総生産量は前年比8.2%増の6億7,500万BOE(石油換算バレル)。同社のガイダンスの上限を2.3%上回った。2024年には新規プロジェクト13件が生産を開始する予定であり、同社は通年の総生産量が3.7-6.7%増の7億-7億2,000万BOEに上るとの見方。前回示した予想値を1.4-2.9%上方修正した。

 同社はまた、2025年の生産量見通しについても、下限を6.8%引き上げた。向こう3年間の生産目標は年率平均6.3-7.1%増。これも2023年時点の予想(同5.6-6.1%増)から上方修正となった。

 2023年の設備投資は約1,280億元となる可能性が高く、同社が示した1,200億-1,300億元とのガイダンスのほぼ上限。続く2024年の設備投資予算は1,250億-1,350億元で、前年実績比では2.3%減から5.5%増の範囲となる。埋蔵量・生産量の拡大に向けた「7年行動計画」が終わりに近づく中、BOCIは設備投資がこの先落ち着き、ほぼ横ばいに推移すると予想。これにより、長期的な配当性向の引き上げが可能になるとみている。

 油田探査業務に関して、同社はリザーブ・リプレースメント・レシオ(RRR:資源埋蔵量の回復率。期中の確認埋蔵量増加分÷生産量)を130%に設定している。生産量が増加傾向にあることを考慮すれば、この目標値は依然高い水準となる。

 BOCIは2023年通期の生産量が予想を上回ったとしながらも、予想純利益を3%減額修正した。原油平均価格が予想を下回ったため(ブレント原油価格1バレル=平均86米ドルを予想したが、実際には82.2米ドル)。2017-23年の追加採掘権の取得費用は30億元と想定した。2024年、2025年に関しては生産量の上振れを理由に、利益見通しを1%、8%増額修正している。

 利益見通しの修正に加え、目標株価の算出基準年を2023年から2024年にシフトしたことで、BOCIはSOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく1株当たり予想NAV(純資産価値)を19.01HKドルから19.37HKドルに増額。これに伴い目標株価を引き上げた(予想NAVに対するディスカウント率を12.8%から13.4%に変更)。新たな目標株価は2024年予想PER(株価収益率)で5.1倍の水準となる。一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは原油急落の可能性と、予想外の費用増の可能性を挙げている。