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著者の愛宕伸康が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「日銀のマイナス金利政策解除、3月の可能性が急浮上」
日本銀行は22~23日に開催したMPM(金融政策決定会合)で、大方の予想どおり現状維持を決定しました。しかし、正常化の流れは変わっておらず、むしろ展望レポートの書きぶりは一歩前進しています。これまでマイナス金利政策の解除は4月がメインシナリオでしたが、3月の可能性が高まっているように思われます。
1月の金融政策決定会合は現状維持、しかし展望レポートの書きぶりが一歩前進
日銀の植田和男総裁は、MPM後の記者会見冒頭で、以下のようなコメントをしています。
日本銀行としては、金融機能の維持と資金決済の円滑の確保に万全を期すとともに、今回の地震の影響に関する情報収集と分析に努めているところであります。こうした状況を踏まえた上で、本日の決定会合ではイールドカーブコントロールのもとでの金融市場調節方針とその運用、および資産買入れ方針について、いずれも現状維持とすることを全員一致で決定しました。
上のコメントからも明らかなように、資金決済が円滑に行われることが最優先となる災害時において、引き締め方向の政策変更は適切ではありません。今回の政策決定の背景には、そうした配慮があったとみられます。
ただし、同時に発表された1月の展望レポート(「経済・物価情勢の展望(2024年1月)」)を見ると、消費者物価の基調的な上昇率が「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくとの見通しに関して、前回のレポートにはなかった以下の記述が加えられました。
先行きの不確実性はなお高いものの、企業の賃金・価格設定行動の変化や賃金交渉に向けた労使のスタンス等を踏まえると、こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっていると考えられます。
このように、展望レポートの書きぶりが明らかに一歩前進しており、マイナス金利政策解除に向けた準備段階に入ったとみることができそうです。