「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第11回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
今日のクイズ:金利上昇で業績が良くなる「金利上昇メリット株」はどれ?
<クイズ>以下の表に、予想配当利回りが高いソフトバンク(9434)、日本製鉄(5401)、ENEOS ホールディングス(HD)(5020)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)(8306)の利回りなどをまとめました。
この中で、金利上昇で業績が良くなる「金利上昇メリット株」はどれでしょう?
<ソフトバンク・日本製鉄・ENEOSHD・三菱UFJFGの予想配当利回り:2024年1月9日時点>
念のため、ここに挙げたソフトバンクは、親会社のソフトバンクグループ(9984)ではありません。子会社の携帯電話会社です。よく勘違いする方がいますので、注意しました。
なるべくたくさんの高配当利回り株に分散投資
今日は、高配当利回り株に投資する時、気を付けるべきことをお伝えします。2024年1月から新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)が始まりました。新NISAでは「成長投資枠」(年間240万円)の範囲で、個別株にも投資できます。
日経平均株価(225種)やS&P500(米国株を代表する株価指数)に連動するように運用されているインデックスファンドに投資するのも良いですが、個別株投資にチャレンジしてみても良いと思います。
成長投資枠というと、投資できるのが成長株だけかと勘違いするかもしれませんが、そんなことはありません。高配当利回り株に長期投資するのも良い戦略です。
ところで、高配当利回り株を選ぶ時に、注意すべきことは何でしょう?
【1】予想配当利回りの高さだけで選ばない、なるべく減配リスクの低い銘柄を選ぶ
株の配当利回りは確定利回りではありません。業績が悪化して配当金が減らされると、利回りが低下するだけでなく、株価が下落することもあります。従って、なるべく減配リスクが低い銘柄から選別すべきです。
時価総額が大きい、財務内容が良い、収益基盤の堅固な銘柄ほど、減配リスクが低いので、そうした視点で選ぶべきです。見かけ上の配当利回りの高さを、重視すべきでありません。見かけ上の利回りが高過ぎる銘柄には、減配リスクが高いものが多いので要注意です。
【2】なるべくたくさんの銘柄に分散投資する
なるべく減配リスクが低い銘柄を選ぶべきですが、それでも減配リスクをゼロにはできません。どんなに選別して、減配リスクが低いと思って買っても、減配になることはあります。そこで、特定銘柄に集中投資するのではなく、なるべくたくさんの銘柄に分散投資すべきです。
金利上昇に強い高配当利回り株にも分散投資
今日は、金利上昇メリット株がどれか当てるクイズです。株式市場には、金利が上昇すると、嫌気されて下がる株がたくさんあります。製造業などでは、借金をしてビジネスを展開する企業が多いので、金利が上昇すると支払う金利の負担が重くなります。
それに加えて、金利が上昇すると、長期債の利回りが高くなり、債券投資の魅力が高まりますので、株を売って債券を買う投資家が増えることがあります(債券は新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠ともに対象商品とはなりません)。
こうした理由から、金利が上昇すると株は下がることが多くなります。金利上昇が好感されて株価上昇が見込める「金利上昇メリット」株に分散投資しておけば、リターンを安定させる効果があります。