金(ゴールド)のテーマは多くて七つ
以下はドル建て金(ゴールド)価格の推移です。
図:ドル建て金(ゴールド)価格の推移(過去およそ半世紀)
1970年代後半の有事の同時発生時、金(ゴールド)相場は長期視点の価格上昇を演じませんでした。このことは、有事ムードをきっかけとした上昇圧力が数十年におよんで継続する可能性が低いことを示唆しています。
今、金(ゴールド)相場は数十年単位の高騰劇のさなかにあるのは、有事ムードをはじめとした複数のテーマ起因の上昇圧力に支えられているためです。有事ムードは今も昔も、金(ゴールド)相場の動向を左右する重要なテーマであることは変わりませんが、市場環境が多彩になった今、有事ムード以外のテーマにも、同時に目を向けなければならなくなっています。シンプルだけでは追いつかないのです。
以下のとおり、金(ゴールド)に関わるテーマは七つあると筆者は考えています。数えられないくらいテーマがあるのではなく、短中期であれば三つ、中長期であれば三つ、超長期であれば一つ、合計七つです、これらをカバーしていれば、現在の金(ゴールド)相場の分析は可能であると考えます。円建て金(ゴールド)は「ドル/円の変動」を追加します。
図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)
投資スタイルが異なれば、注目するテーマが異なります。四半期に一度程度のタイミングで公表される中央銀行の動向をもとに、短期売買することは考えにくいでしょう。短期売買であれば(1)から(3)、長期投資であれば(4)から(7)のテーマに注目するとよいと思います。