「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第10回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。

今日のクイズ:JT、NTT、JR東海、東電HDで、配当利回りも営業利益率も高い株はどれ?

<クイズ>JT(日本たばこ産業)(2914)NTT(9432)JR東海(9022)東京電力ホールディングス(HD)(9501)の4社の売上高と営業利益率(今期予想の売上高を100とした際に、売上高に対する営業利益の比率)と、予想配当利回りを以下の表に会社名を隠してA~D社として示しました。

 A社、B社、C社、D社はそれぞれ、JT(2023年12月期)、NTT(2024年3月期)、JR東海(2024年3月期)、東京電力HD(2024年3月期)のうちのどれでしょうか?

出所:営業利益はQUICKコンセンサス予想、売上高を100とした比率で表示。配当利回りは、今期1株当たり配当金(会社予想)を12月26日株価で割って算出

新NISA「成長投資枠」で、高配当利回り株投資

 2024年1月から新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)が始まります。新NISAの「成長投資枠」(年間120万円)では、個別株にも投資ができます。日経平均株価(225種)やS&P500種指数(米国株を代表する株価指数)に連動するように運用されているインデックスファンドに投資するのも良いですが、個別株投資にチャレンジしてみても良いと思います。

「成長投資枠」というと、成長株に投資しなければならないと勘違いするかもしれません。そんなことはありません。高配当利回り株に長期投資するのも良い戦略です。

 ところで、高配当利回り株を選ぶ時に、注意すべきことは何でしょう?

 それは予想配当利回りの高さだけで選ばないことです。

 なぜなら、株の予想配当利回りはあくまで予想であって、確定利回りではないからです。企業が業績悪化から配当金を減らす減配をして、株価が下落することもあり得ます。そうならないように、なるべく減配リスクが低い銘柄を選ぶことが大切です。

 予想配当利回りが高すぎる(6%以上)銘柄には、減配リスクが高いものが多いので注意しましょう。減配リスクが低く、配当利回りがそこそこ魅力的な銘柄は、予想配当利回り2.5~5%くらいに多いと言えます。

 それでは、減配リスクの低い銘柄を選ぶには、何に気を付けたら良いか、二つポイントを挙げます。

【1】時価総額1兆円以上:時価総額が大きい銘柄ほど、減配リスクは低い。
【2】営業利益率10%以上:営業利益率が安定的に高い銘柄は、減配リスクが低い。 

 ここでクイズに出したA社、B社、C社、D社をもう一度見てください。営業利益率が10%以上で予想配当利回りが高めの銘柄には、B社とC社が該当します。この2社は、高配当利回り株として長期投資する候補に入れて良いと思います。