投資信託の特徴
投資信託の特徴を、メリット、費用、リスク、リスクの軽減策という形でまとめておきます。
メリット
- 少ない金額から購入可能
- 株式や債券、国内や海外などに分散投資できる
- 専門家が運用する
投資信託は、少額から購入でき、かつ幅広く分散して投資を行うことができるというのが最大のメリットだと思います。
そして、実際の投資先の選定などは運用の専門家(運用会社)がやってくれるので、投資家としては投資実行時も、保有期間中も、特に何かをする必要はありません(もちろん購入時の申し込み手続きなどは必要ですが)。
自分で株式の銘柄を選定して投資すると、その会社の業績はどうなっているのか? 次の決算発表はいつか? など気になり始めることが多くなりますが、投資信託であればそういったことをすべて運用の専門家がやってくれるというわけです。
費用
費用は直接負担する費用と、間接的に負担する費用の2つに分かれます。
直接負担する費用
- 購入時手数料
- 所得税・地方税(収益分配時、解約・償還時)
- 信託財産留保額
購入時手数料は、投資信託を購入する際に販売会社に払うものです。最近はノーロードと言って購入時手数料を取らない投資信託もありますが、一般的には購入金額の0~3%程度の手数料を払うことになります。
所得税・地方税は、投資信託の利益が出て収益が分配される時や投資信託を解約したり、定められた運用期間が終了し、償還される時などに獲得した利益に応じて支払うことになります。預貯金の利子についても税金がかかりますが、基本的にはそれと同じものです。
信託財産留保額は、少し分かりづらいかもしれませんが投資信託を解約する時に、一部を手数料として投資信託の財産として残すものです(投資信託によっては信託財産留保額が設定されていないものもあります)。具体的には解約金額の0.2~0.3%程度の金額が差し引かれることになります。
間接的に負担する費用
- 運用管理費用(信託報酬)
- 監査報酬
- 売買委託手数料
投資信託は、運用の専門家が銘柄選定や売買などの取引指図を行うわけですが、そのための報酬を支払う必要があります(タダ働きはしてくれません)。それが運用管理費用(信託報酬)と呼ばれるもので、運用金額に対して年率0.1~2%程度の費用になります。そして、この費用は投資信託の仕組みでご説明した運用会社、販売会社、信託銀行の3者に対して支払う事になります。
監査報酬は、投資信託の財産がきちんと運用されているか監査するためにかかる費用です。
売買委託手数料は、株式などを売買する時に証券会社などに支払う手数料です。頻繁に売買する投資信託はこの手数料が高くなります。
リスク
- 価格変動リスク
- 信用(デフォルト)リスク
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
価格変動リスクは、投資信託に組み入れられている株式や債券などの金融商品の価格が変動する可能性のことです。その金融商品に対する需要と供給だったり、政治、経済情勢、企業業績などさまざまな要因によって変動します。
信用(デフォルト)リスクは、債券などを発行する国や企業が、財政難・経営不振などの理由により、利息や償還金をあらかじめ定めた条件で支払うことができなくなる可能性のことです。
為替変動リスクは、為替レートが変動する可能性のことです。外国通貨建ての株式や債券などに投資する投資信託の場合、株式や債券そのものの価格が変動していなくても、為替レートが変動することによって円建てでの評価額は変動することになります。
金利変動リスクは、金利が変動する可能性のことです。一般的に金利が上がると債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。
リスクの軽減策
上記のようなリスクがある投資信託ですが、そのリスクを軽減する策としては次のようなものがあります。
- 資産の分散
- 長期保有
- 時間の分散
資産の分散は、例えば日本の株式だけに投資するのではなく、値動きの異なる他のさまざまな資産(海外株式、日本債券、海外債券、日本不動産、海外不動産など)に分散して投資することで安定性を高めるものです。
長期的に保有することで、その間に株式、債券、不動産などの価値が上昇する(株式であればビジネスを行い、利益を出し続けているはず)ことで、緩やかに投資対象商品(株式、債券、不動産など)の価格も上昇する傾向があります。
最後に、一度にまとめて全額を投資するのではなく複数回に分けて投資すること(時間の分散)で、購入価格を平均的なものにすることができます。すごく安く買えることもないかもしれませんが、ものすごい高値づかみをすることもなくなります。