利益を得るのが株式投資の目的の1つ
最近は、SNSなどで数多くの株式投資に関する広告を目にします。例えば
- 「たった1年で300万円を1億円にする方法を教えます!」
- 「毎月コンスタントに月利20%を達成するための極秘ノウハウ」
という類いの、非常にキャッチーなセリフが並んでいます。
(上記は筆者が勝手に作った架空のものです)
確かに株式投資の根本的な目的というのは利益を得ることですし、どうせ利益を得るのであれば、より大きい利益を狙いたいというのも本望でしょう。
そもそも、1年で300万円を1億円にするとか、月利20%をコンスタントに達成するという話はあまりに非現実的であり、かなり話を盛っているのが実情でしょう。
そして、もしこれが本当だとすれば、よほど再現性が低い(超人のような人が運用している)か、過大なリスクを取っているかのどちらかです。
大きな利益を狙うことのもう一つの意味
さすがに1年で300万円が1億になるというのは極めて可能性としては低いですが、1年で300万円を1,000万円にするというのは可能です。
このように書くと、「では300万円を1,000万円にする具体的な方法を教えてくれ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、壮大なバブル相場でもない限り、それを狙うためには過大なリスクを負う必要があるのです。
「大きな利益を狙う」という裏側には、「大きなリスクを負う」というもう一つの意味があること、これは株式投資や資産運用をする上で絶対に押さえておかなければいけないことです。
「大きな利益を得ること」と「大きな損失を回避すること」は両立できない
では、大きな利益を狙いつつ大きなリスクを回避する方法はないのでしょうか? それは基本的にはないと言えるでしょう。
「ローリスク・ローリターン」「ハイリスク・ハイリターン」というのは有名な言葉ですが、まさに高いリターンを得ようとすれば、大きなリスクを受け入れなければならないのです。
例えば日経平均株価が1年間で10%程度の上昇にとどまるような状況で、個別銘柄で300万円を1,000万円にするためには、次のようなことが必要となります。
- 大きく株価が上昇する可能性がある銘柄に資金を集中させて投資する
- 信用取引でレバレッジをかける
- 株価の動きに応じてタイミングよく売買を繰り返して利益を蓄積させる
もし、これらがうまくはまれば300万円の資金を1,000万円に増やすことも十分可能でしょう。
しかし、投資した銘柄が逆に大きく下がってしまったり、売買のタイミングをミスしてしまえば、信用取引でレバレッジがかかっている分、損失も大きくなってしまいます。場合によっては300万円のほぼすべてがなくなってしまうことも大いにあり得ます。
まずは大きな損失を避けることが大事
では、どうすればよいのでしょうか。まず、短期間で大きな利益を得ようとするなら、大きなリスク、つまり大きな損失を被ることを覚悟しなければいけません。
資金がゼロになってもよいから、短期間で資産を増やすチャレンジをしてみたいというなら、それも良いでしょう。
しかし、短期間で大きな利益を目指すのは、もはや投資ではなくギャンブルに近くなります。うまくいけば大きな利益、失敗すれば大きな損失…。こんなことをいつまでも続けていけば、どこかで大きな損失を実際に被ってしまうことでしょう。
ですから、筆者としては、まずは大きな損失を避けることが大事であり、そのためには、過度に短期間で大きな利益を狙わない方がよいと思っています。
大きな損失を避けるために、レバレッジをかけすぎない、1つの銘柄に資金を集中させ過ぎない、しっかり損切りを実行するなどの対処ができてはじめて、リスクを過大に取り過ぎない範囲でより大きな利益を目指すことができます。それがマーケットの世界で長い間生き残るために重要なことだと強く感じています。
大きな利益を目指すと大きな損失の可能性も高まります。そうではなく、大きな損失を避けることを第一に考え、その前提でできるだけ利益を伸ばすことを考えるようにしてください。
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