2023年9月中間決算は43%増益、香港・マカオ事業が好調持続へ

現地コード 銘柄名
00590

六福集団国際

(ルック・フック・ホールディングス)

株価 情報種類

20.30HKD
(11/30現在)

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 香港系の宝飾品製販大手、六福集団の2023年9月中間決算は、香港・マカオでの小売事業の好調を背景に、純利益が前年同期比43%増の9億4,300万HKドルと、10年ぶりの半期最高益を記録した。BOCIは短期的に、香港・マカオ事業の勢いが中国本土事業の低迷をカバーすると予想。さらに金製品の高利益率や香港での店舗賃料の軟化を受け、2024年3月通期には記録的好決算が期待できるとしている。続く2025年3月期にはコロナ後のペントアップ需要の消失や前年実績の高さが響く見通しだが、それでも新たな成長戦略を背景に、堅調を維持すると予想。株価の先行きに強気見通しを継続している。

 9月中間期の売上高は前年同期比34%増の75億HKドル。金価格上昇や香港での直接販売の拡大で、粗利益率は1.7ポイント改善した。純利益は43%増の9億4,300万HKドルと、2014年度以来の半期最高益。本土事業の低迷を横目に、BOCIの予想を小幅に上回った。

 続く10月-11月第3週の業務統計を見ると、香港・マカオの既存店売上伸び率は前年同期比50%強と、引き続き好調。本土の既存店売上高は10月の低迷が響いて横ばいだったが、11月に入ってからは10%超のプラス成長に転じたという。BOCIは短期的に、香港・マカオを中心とした販売増の勢いが続くとの見方。ただ、年度第4四半期(2024年1-3月期)以降は前年同月実績の高さから、減速する可能性が高いとしている。

 経営陣は2024年3月通期に対して強気。通期純利益が自社予想の18億6,500万HKドルを上回り、過去最高益を記録する可能性が高いとした。例年、年度下期がピークシーズンに当たることから、BOCIも経営陣の見方に同調。現時点で、通期の予想純利益を前年比47%増の18億9,100万HKドルに設定している。

 2025年3月期には前年実績の高さから利益成長ペースが減速する見込み。ほかに◇コロナ後のペントアップ需要の立ち消え、◇金価格の横ばいが予想される中での粗利益率の低下、◇契約更新に伴う香港の店舗賃料の上昇、◇本土事業の低成長(特にダイヤモンド)――などが減速要因となる見通し。半面、同社は店舗網の拡大を継続し、同期に本土と香港・マカオの店舗数をそれぞれ350店以上、5店以上増やす計画。BOCIはこれに加えてネット通販の好調が、2025年度とそれ以降の長期成長を支えるとみる。

 BOCIは香港事業の予想以上の好調を理由に、2024年度、2025年度の予想EPS(1株当たり利益)を14%、6%増額修正。目標算出ベースを2024年度予想PER(株価収益率)9倍から、2025年度予想PER9倍にシフトした上で、目標株価を引き上げた。魅力的なバリュエーションと配当利回りを理由に、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 半面、レーティング面の潜在リスク要因としては、本土の消費低迷の長期化や金価格の変動による粗利益率の低下、出店ペースの鈍化、市場競争下での販管費増大などの可能性を挙げている。