今日の為替ウォーキング

今日の一言

失敗から逃げてはダメで、失敗は当然としていかに最小にとどめるか

Shout

 NFP(雇用統計)とCPI(消費者物価指数)はバックミラーに映る景色となった。実質あと残り1カ月となった2023年のマーケットでは、伸びきったドルのロングポジションの手じまいを始める動きがでている。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が、金融政策決定プロセスにおける「経済データ重視」の方針を打ち出して以来、マーケットは米指標の結果に必要以上に一喜一憂している。

 今月は、米雇用統計が鈍化したことに続き、10月の米CPIとPPI(卸売物価指数)では、米国のインフレ率が予想以上のペースで低下していることが明らかになるなかで、12月FOMC(米連邦公開市場委員会)は「利上げなし」との見方が強まり、ドル/円は150円台前半まで円高になった。

 ところが、10月の米小売売上高が、米消費の強さを示す内容だったことから、再び「利上げあり」との見方に振れてドル/円は151円まで再上昇した。

 ドル/円は、32年ぶりの高値となる152円台まであと一歩と迫ったが、雇用関連のデータが弱かったことで米長期金利が低下するなかで、150円を下抜けすると、一気に149円台前半まで円高になった。

 週明け20日のマーケットでは、大きな経済指標はなかったものの、ドル売り/円買いは続行し、ドル/円は一時148.09円まで下落した。為替介入はないしだろうし、あったとしても、相場の方向を変える威力はないと、150円台でも積極的にドル買い(円売り)を進めたが、少し貪欲になりすぎて、高いレベルでつかまってしまったようだ。この動きがポジション調整だとすれば、一巡後はより良いレベルで円ショートを再構築するチャンスがやってくることになる。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成