今日の為替ウォーキング

今日の一言

上がっている株を買う。下がっている株は買わない

Don't Stop Believin'

 今月のドル/円は150.16円まで上昇して、1年ぶりの高値(円の安値)を更新した。

 財務省は、これ以上円安が進んだ場合、「介入する」と警告しているため、150円台の手前で動きは鈍くなっているが、もしも介入があってドル/円が下げたなら、そこは絶対に買いたいと待っている投資家は多いだろう。

 鈴木財務大臣は「状況に応じて適切な対応が必要」との認識を示すなかで、国際通貨基金(IMF)は今月14日「円の為替レートはファンダメンタルズに沿った動き」であり、日本の為替介入は支持しないと表明している。

 円安の理由は日米金利差なのだから、円安を本当に止めたいなら、財務省ではなく日銀が行動するべきという、しごく真っ当な指摘である。

 介入で円安がストップするなら、これほど簡単なことはない。日銀とFRB(米連邦準備制度理事会)の政策スタンスが修正されない限り150円は単なる通過点だ。来年前半には160円台の可能性もある。

 もっとも、介入の目的が円安を止めるのではなく、円安を生かさず殺さず、できる限り永らえさせることだとしたら、政府・日銀は今のところ大勝利である。

 円安のスピードが速すぎるようならば、財務省が為替介入をちらつかせ、円高に動くと、今度はすかさず日銀がウルトラ緩和を続けるとコメントする。

 円安警官と円高警官の絶妙のコンビネーションでドル/円相場は140円から150円の円安で安定している。イライラするのはトレーダーのフラストレーションはたまるが、輸出企業は大歓迎だろう。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成