今日の為替ウォーキング

今日の一言

強く激しい言葉は、その人の主張の根拠の弱さを示す - ヴィクトル・ユーゴー

Black Night

 10月に発表された米国の経済データは、おしなべて強い。NFP(雇用統計の就業者数)は33万6,000人増加して、市場予想の17万人を大幅に上回った。インフレ率も予想を上回っている。

 11月FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ確率はまだ高くなっていないが、FOMCがたとえ 11月の利上げを見送るとしても、利下げの開始時期は確実に遠のいた。「長期間にわたる高金利」の時代がしばらく続くことになるだろう。

 先週発表された米国の9月のCPI(消費者物価指数)は市場予想をやや上回り、前年比で3.7%上昇してインフレ圧力の根強さを示す結果となった。エネルギーと食料品を除くコア指数は、伸びが減速して前年比で4.1%上昇となった。

 米国のCPIの算出において、最も大きなウェイトを占めるのがOER(Owner’s Equivalent Rent of Primary Residence)である。9月CPIの最大の上昇要因となったのがOERであり、前年比で3.8%上昇した。

 OERは、自宅を所有している世帯が、同じような住宅を賃貸する場合に支払うであろう家賃相当額を推定したものである。OERは、住宅価格や住宅ローン金利とは直接的な関係がなく、賃貸市場の状況によって変動する。

 OERはCPIの約24%を占めるため、今後も米国のインフレ動向に大きな影響を与える可能性がある。もっとも、住宅関連を除くと米国のインフレ率はすでに2.0%前後まで下落している。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成