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 米国の雇用市場は、全体として「鈍化」傾向にあるが、「悪化」したというほどでもない。今は「This is 最高にちょうどいい」状態だといえる。

 BLS(米労働省労働統計局)が今夜発表する9月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)は+17.0万人の予想となっている。就業者数は減少傾向にあるものの、これは業績不振によるリストラというより過剰雇用の調整で、雇用不安が起きているのではない。10万人から20万人という増加数というのは、FRBには居心地の良いレンジで、この水準で推移するのが望ましいと考えているだろう。

 9月雇用統計の詳しい解説については「なぜ、雇用市場が強いと米経済は「墜落」するのか? 9月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

 前回8月の雇用統計では、就業者数が18.7万人増加した。その一方で、7月と6月を合わせて就業者が11万人下方修正された。その結果、直近3カ月の増加数の平均は15万人にとどまり、新型コロナ感染拡大が始まった2020年6月以来の低水準になった。

 失業率は、8月とほぼ変わらずの3.7%の予想。労働者の増加を伴う失業率の上昇は、景気の悪化を意味するものではなく、むしろ健全な状況である。失業率は労働参加率と合せて判断するのが良いだろう。

 平均労働賃金は、前月比は0.1ポイント上昇して+0.3%、前年比は+4.3%で横ばいの予想。平均労働賃金は、FRB(米連邦準備制度理事会)にとってはまだ不満だろうが、失業率と労働参加率の上昇が継続するならば今後の低下が期待される。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成