今日の為替ウォーキング
今日の一言
一般的に、行き過ぎは反作用の原因となり、逆方向への変化を促す。季節、個人、政治、なんであれ –プラトン
Nights in White Satin
ジャクソンホール会議で行われたパウエルFRB議長の講演に、マーケットは、「ハト派」的との第一印象を持った。FRBは、ここ数カ月のインフレ率が下落していることもあって、今後の利上げについては、より慎重に進めようと強く意識している。パウエル議長はデータ重視の姿勢を強調したが、9月か11月に利上げがあるかどうかは明示しなかった。9月は見送り、11月に最後の利上げというのがマーケットの予想だが、このまま利上げを終了してしまう可能性も残る。FRBは利上げを当面休止して、これまでの累積効果が米経済にどのように反映されるかを見極めるステージに入るようだ。
とはいえ、それはあくまで印象であって、全体のメッセージを通してみると、パウエルFRB議長は依然として「タカ派」的だった。特に、インフレ率が(2%ではなく)3%を下回ればFRBは満足するという市場の考えに対して、パウエル議長は強く反発している。
最近のインフレ低下を示す経済データはまだ始まりに過ぎず、インフレ率が持続的に「2%に戻る」ことを確実にするために、必要な限り、金融引き締めを維持する。そもそもインフレ率はまだ「高過ぎる」のであり、必要と判断すれば追加利上げに動く用意があると、パウエル議長は強調した。
インフレ目標の安易な修正は中央銀行の信頼を失うリスクがあり、またマーケットの利下げ期待をけん制するために強気な発言を続けなくてはいけないが、それらの事情を差し引いても、利上げが終了したと決めるのはまだ早いようだ。