なぜ新興国通貨に投資するのか
さまざまな投資方法がある中で、「新興国通貨へ投資をしたい」と考える人よりも、国内外の株式や先進国通貨で資産運用をしようとする人が大多数かもしれません。
とはいえ、新興国通貨へ投資する人もいらっしゃいます。どんな人たちなのでしょうか。
新興国通貨への投資は大きく分けると、次の3つのやり方があります。
・銀行で外貨預金をする
・証券会社で新興国通貨建ての債券へ投資する
・FX(外国為替証拠金取引)でスワップポイント(金利差調整分)を狙う
実際に、投資家に話を聞くと「株式の値動きで一喜一憂するよりも、金利を安定して受け取れるほうがよい」と、そのメリットを語ります。
また、他にも次のような理由で新興国通貨へ投資をしている人がいます。
新興国通貨に投資するワケ1:高い金利を受け取ることができる
銀行預金金利を見ると、大手銀行では0.001%程度、ネット銀行で一定の条件を満たした場合でも0.1%程度。それに比べて新興国では5~10%の金利が付くことも珍しくありません。
ただ、金利の高さは各国の経済状況も関係し、実質金利(名目金利-予想物価上昇率)で見ると、金利水準が魅力的とは単純には言えませんが、それでも一定年数で、どのくらいの金利が付くかを分かっていると、投資を決断しやすいようです。
新興国通貨に投資するワケ2:今後も経済成長が期待できる
新興国がわずかな期間で様変わりしているという話はよく聞くのではないでしょうか。
2017~2019年の先進国の経済成長率(実質GDP[国内総生産]成長率)は年平均2.07%に対し、新興国は4.10%と約2倍の成長をしました(出所:日本通商白書2020年)。2030年には世界GDPの半分は現在の新興国が占めるとも言われています。
それだけ経済成長するならば、投資としても期待できるのではと考えている方もいます。
新興国通貨に投資するワケ3:過去の為替水準から、通貨安(円高)に見える
2008年のリーマン・ショック以降、投資対象とされる主要な新興国通貨のほとんどが、円高・新興国通貨安を更新し続けています。そのため、過去の為替水準から見ると、円高にいき過ぎているように感じ、為替差益を狙って投資をしたり、さすがにこれ以上は円高にはいかないだろうと投資する人が多いようです。
実際に金融機関からのセールストークで、「過去にないほどの円高水準です」と提案されて購入を決めたという方もいらっしゃいます。